木を植える女性

wangari.JPG先日、アフリカの女性として初めてノーベル平和賞を受賞した、ワンガリ・マータイ(Wangari Maathai)さんの講演会にいってきたので、そのことについて。(コースのカリキュラムで忙しくって、ブログ更新遅れております….)

ノルウェーのオソロでの授賞式に出席した帰りにロンドンに立ち寄っての講演会で、クリスマスのデコレーションで飾られた教会で行なわれたのですが、講演会の前にケニアのダンスが披露されるなど、会場内はセレブレーションのハッピー・ムードでいっぱい。さすがアフリカはリズムと高揚感が違う、という感じです。

ワンガリさんは東アフリカではじめて博士課程を修了した女性。ただスピーチの中で、「高い教育を受けている人はとかく難しく事を考えるから、私は一般的に分かりやすいように話したり行動したりしているの」と話す愛嬌たっぷりの、笑顔が素敵な可愛いらしい女性です。

ワンガリさんは、1977年から女性たちの手で木を植えるグリーン・ベルト・ムーブメントというNGOを立ち上げたところから活動を開始。現在までに3千万本の木を植えたそうです。この活動をきっかけに、ケニアの地方議員をへて、現在はケニアの環境省の大臣補佐官をしています。「木を植える女性」として有名なワンガリさんですが、ノーベル平和賞の受賞理由は「持続的可能な開発、民主主義、そして平和への貢献」というわけ。ここら辺のつながりについて興味があって聞いてきました。

「このノーベル平和賞は私たち女性のため。そしてアフリカの女性のため。認識はされないけれど、認識されるためにやっているのではなく、コミットしているからやっている人たち、つまりここにいる皆さんたちのためでもあります。」と太い声で分かりやすい英語でスピーチはスタート。

「私はケニアで所得が少なく、水もない人々の生活を見てきました。どうしたもんか、と考えた時に、とにかく土とのつながりが大切だと思って、木を植えようよって女性たちに提案したの。そしたら木から工芸品を作って所得も得られるし、土地が豊かになって農作物も実るでしょ。だんだんやっていくうちに風景も変わりだして、ホコリも少なくなって、女性たちが自分たちにも出来るんだっていう自信を身につけていったのよ。」

ここでとどまらないのが、ワンガリさんのそこ力。「どんどんムーブメントが大きくなるにつれ、政府は女性たちがそんなことをやって盛り上がっているってことが気に入らなくなったみたいね。当時、ケニアでは、許可なく9人以上の人が集まって何か話し合うことが禁止されていたんだけど、私たちの活動も邪魔されるようになってしまったの。その時、これは根本的な政府のガバナンスを変える必要があるなと分かったの。それで批判するだけじゃなくて、行動したんです。まずは政府の構造の勉強をして、選挙の準備を始めたの。」ワンガリさんは98%という圧倒的支持を受けて地方議員に当選。現在は、批判し続けた政府内部の主要なポスト(環境省の大臣補佐官)につき、内側から政府を改革する活動をしています。

「本当に人々の生活を良くしたいと思うのなら、環境活動、民主主義、平和の三つの柱を全部考慮しないといけない。この三つがどうリンクしているかと聞く人がいるけれど、三つがしっかりとリンクしないと大きなインパクトにならないと私は信じてるの。この三つは切っても切れない関係。そういう包括的なアプローチをしなくちゃいけないし、ブロックで考えちゃ駄目。全部つながっていることなんです。」

椅子の座る部分を「開発」にたとえれば、「平和」がなければ「開発」はないし、「民主主義」がリスペクトされてないところに「開発」はないし、「資源の配分」がうまくいってない地域に「開発」はない、というのがワンガリさんの考え方です。もちろん「開発」というのは、自然環境を害さない、人々の生活を豊かにする必要最低限の開発を意味します。今、こういうことを勉強しているだけあって、こういう考え方の枠組みはとても参考に、そして励みになりました。

そして最後に。「ノーベル平和賞を受賞したことは、アフリカのリーダーシップのチャレンジだと思ってるの。私たちは良いガバナンスを提供すること、資源のマネジメント、Conflictを避ける事。この三つの事を考えるうえでのマインド・シフトをおこし、三つのことを統合的に考えるようにしなくてはならない。アフリカが、世界がこういう風に考えれば、きっと世界も前進すると思っています。」

ワンガリさん、おめでとう&ありがとう!