「花と兵隊」から、政治を考える

昨日ようやくドキュメンタリー映画「花と兵隊」を見に行った。この映画は、6年ほど前、日本映画学校で教えていた時、隣のクラスに在籍していて仲良くなった松林要樹(ようじゅ)くんの初監督作品。戦後も東南アジアに残留し生活を築き上げた6人の「未帰還兵」に密着取材。なぜ彼らは祖国日本に帰らなかったのか、どういう思いで異国で暮らしてきたかなどを丹念に描いた、硬派ドキュメンタリーだ。

長編ドキュメンタリーを作る事がどんなに骨の折れる作業が理解しているので(この作品自体も、撮影期間だけで2年ほど)、まず作品に仕上げたことに敬服。作品自体もいわゆる戦争映画ではなく、家族とは、故郷とは、生きることとは、人生とはと言ったテーマを登場人物の生き様でじっくり綴って行くという手法で、好感がもてた。タイトルの「花と兵隊」というのは、兵隊さんとその隣でいつも支え合ってきた奥さん、という意味なんですね。戦争で傷ついた人を救うのは、やっぱり愛しかないし、登場人物のおじいちゃん達がみな優しい顔をしていたのは、そこに脈々と流れてきた時間が癒してくれたから、と思いました。

上映会後のトークで、松林くんが話していた事が耳に残りました。
「僕たちは、戦争を知らない世代って言われるけれど、それは違うと思う。戦争を知らないのではなくて、戦場を知らないだけ。戦争っていうのは政治の延長だから、自分たちのすぐ手元にある。政治に興味を持たなければ、戦争はなくならない。戦争を辞めたければ、政治に興味を持つしかない。酒を飲みながらでも、政治を語ることによって、戦争はなくなると思います。皆さん、よろしくお願いします」

飢餓覚悟で闘った史上最悪の戦い、ビルマのインパール作戦(日本兵19万人が亡くなった)は知らなくても、私たちは実は「戦争」は知っている。すごく身近な存在なんだ。本当にそうだな、と思った。

でも政治は、私たちの生活から全く切り離されたものになってしまった
でも政治を手元にたぐり寄せないと戦争は終わらない

8月30日は総選挙です。日本の今後を決定づける、重要な選挙だと言われています。お恥ずかしながら政治についてはあまり詳しくないのだけれど、私もこれをいい機会にもっと興味を持ってみたいと思う。マスメディアで取り上げていることとか、多くのMLで流れている重箱の隅をつっついたような議論はいいとして、もっと本質をついたものとして見てみたい。

手始めに、ウェブでこんなのを見てみた→編集長 村上龍のJMM、村上龍が独自の視点でお送りするビデオレポート。総選挙についても色々話していて分かりやすい。社会の世論は小泉改革バッシングなのだけど、あれは意味があったことだ、というのは私も同感。でもビッグ・ピクチャーがなかなか見えてこない、という点では村上龍の論調も日本の政治家とあまり変わらない気がして物足りない。なんで「グローバリゼーション」とか「サステナビリティー」とかっていう、現代を紐解く重要なキーワードを使って、政治を語る人が日本にはいないんだろう?本当に不思議だ。例えば、こういう論調。

Democracy Now! Japan – エコノミック・ヒットマンが語るアメリカ帝国の秘史  —経済刺客、暗殺者、グローバルな腐敗の真相

誰もこういう大切な真実を分かりやすく教えてくれないよ。それによって日本の政策を決めて行こうとか、っていう議論にはならないんだよね。自分のテリトリーばかり気にして議論が狭くなる「虫の視点」ではなくって、もっと大きく世界を捉える「鳥の視点」が必要だと思うのだけど。

例えば、ちょっとそれるけど、例を一つ。カナダには、ワークレス党というのがある。簡単に言うと「国民の皆さん、そんなに働くのはやめましょう」と呼びかけて支持を得ている政党。その理由はサイトを見てもらいたいのだけど、すごく本質をついていると思います!この間、鎌倉市長と話す機会があってその話をすると「良い案だ!」と盛り上がっていたので、「一日3時間しか働かない国」をプレゼントします、と約束したのだけど。「みんな忙しすぎる」というのが諸問題の元凶なので、生活のペースをおとして語らい合い、繋がり直し合い、耕したり、作ったり、自然に触れたりすれば、色々なこと(医療とか教育とか福祉とか雇用とか、今、お金で解決しようとしていることのほぼ全部)がスムーズに解決すると思うのだけど。

でも日本の政治家でそういうことを言う人ってまずいない。いるのかな?いたら知りたいな。エコ議員通信簿というようなサイトもあるので参考にしてみたいとは思っているのだけど。今回の選挙、とにかく政権交代は必須。そしてこれを機に、日本の、世界の行く末を本当にどうしたいのか議論が深まることに期待したいです。今年は「政治の覚醒の年」だそうですよ。みなさん、大いに語らい合いましょう。Love and Peaceな世界を目指して!

>>>「花と兵隊」は、8月8日からイメージフォーラムにてロードショーが始まります。戦争映画ではなく、ラブストーリーです。