上関原発とグローバリゼーションについて、思うこと

はぁー、オーストラリアから帰国してはや2週間ほど。娘とパパは居残り満喫組なので、こっちだって久々の独身生活を満喫するぞー!誰か誘って温泉でゆっくりするぞー!なんて思ってたのに…. オーストラリアの余韻にひたってブログを書く暇もなく、(元greenzのひろみちゃんが「虹の国ニンビン&パーマカルチャーコミュニティー ジャランバー」という素敵なレポートを書いてくれた!)なんか仕事ばかりしてたような。それはそれでとことん自由で、勝手気ままな充実した時間だったのだけどね。

それから、2月21日に山口県上関の生物豊かな海が、原発建設のために埋め立てられる….というニュースが飛び込んで来て、いてもたってもいられなくってしまった。鎌倉の女将、ふえりこさんの呼びかけで行なわれた、パタゴニア前の緊急アクションに参加したり、Ustreamやtwitterに夜な夜な張り付きになり、とにかく動いてみよう、いろんな情報の渦に巻き込まれてみようと思った。

私は専門家ではないので難しいことは分からないけれど、今の時点では、原子力発電には反対です。安全面ではかなりクエスチョンだし、核のゴミや核拡散の問題も大きいし、本当に二酸化炭素削減になるかも良く分からない。人類にとって脅威のエネルギーだ、と直感的に思ってしまう。「でも電気が必要じゃない?!」と言う意見も分かるのだけど、原子力発電政策が出来たのは、今から30年以上も前の話。もっと21世紀型テクノロジーってあるんじゃないの?と思えてならないのです。昔から計画されていたからって、いろんな問題山積みの原子力発電に走るのは安易だと思う。もっと電気を使わないライフスタイルにシフトしていくことも大切。

そんな思いで、とにかくどんどん綺麗な海を埋め立て始めちゃうのだけは、待ってよー。と、先週土曜日、パタゴニア前の緊急アクションに参加しました。道行く人に「生物多様性が豊かな場所が、埋め立てられています。まずはこのことに関心を持ってみませんか?原発に反対!という強い気持ちがある方は、署名(経済産業大臣宛)もお願いしています」と呼びかけた。ちゃんと自分が理解してること、してないことも分かったし、逆に教えられることもたくさんあった。人に伝えることで、理解できることって本当にたくさんある。考えてるだけじゃなくて、何でもいいから人と関わりながら行動すること、話すことって大事だと改めて思った。さすが鎌倉、そしてパタゴニアのお客さん、思った以上に多くの方が反応してくれたのも嬉しかった。

今回、パタゴニアは前日のお願いだったのに関わらず、場所やテントの提供など、数々のサポートをこころよくして下さった。「地球が健康じゃなかったら、ビジネスだってなりたたない」というポリシーの素晴らしい会社です。途中で、たまたまだけど松尾市長も来て下さって熱心に話を聞いてくれて、TVインタビューにも答えてくれた。「『ミツバチの羽音と地球の回転』の映画を拝見して、島民の方々の海や自然と共に暮らす姿に、大変感動いたしました。どうか、住民の方々の声に、耳を傾けていただきたいと思います。」じーんときました。鎌倉って、市民と企業と行政がものすごくいい関係で協同し合いながら、未来にむけての大切なアクションをしている場所。なかななかないですよ、こんなとこ!!!

すっかり正義感マンマン、意気揚々!、上関にも行って阻止活動に加わろうかしら!の私…. だったのですが、あるウェブサイトに出くわし、ガーーンとショックを受けてしまいました。それは、こちらhttp://kaminoseki.jp/。上関町まちづくり連絡協議会。上関に住む地元の原発賛成派の方たちのブログです。上関では町長も3期続けて賛成派、議員さんも2/3は賛成派なんだそうです。彼らは、原発が町にやってきたら、町が「豊かで幸せ」になると信じている。過疎化してしまった村をどうやってまた活性化させるか、原発を誘致した当時(1982年)は、他にアイデアがなかっことは攻められない気がする。そしてそのまま引き下がることも出来なくなり「もう早く、作ってよ!」っていう精神状態になってるのも、分かる。その気迫がkaminoseki.jpのブログから感じられて、いやぁーーこういう現実を抱えている方もたくさんいらっしゃるんだなぁー。彼らの生活を考えると、やみくもに反対!と私たちが言い放つのは無責任じゃないのか、としばし悩んでしまった。

聞くところによると、上関は日本でも5番目に急激に過疎化が進んだ所なんだと。安い商品が外から流れ込み、手仕事は全てお金に変わり、みんな仕事のために都会に出て働くことになり、持続可能な生活をしていた島には働き手がいなくなり、田畑の手入れもされず…. 世界中、どこだって全くおんなじ構図だ。地元の賛成派の方々は攻められない。原発に夢を見てしまうのは、良く分かる。

でも田中優さんいわく、原発を誘致して、今、活性化している街はないんだそうだ…それに、カズマンが言ってたように、原発が使い物にならなくなってしまのは、数十年後のこと。そのとき、きちんと廃炉にできるのか、田ノ浦の海洋生態系は元に戻るのか。そして、最大の懸案事項である放射性廃棄物の管理に責任を持てる者がいるのか。残念ながらそういう視座での意見は見られない。過疎化する村や職の問題。しかし、それへの解が原発誘致オンリー、というのはあまりに短絡的だと思ってしまう。他に解決法はないのか?

なんだかもやもやした気分のまま、モラトリアム・カミノセキという記者会見に行ってみた。原発反対!というのではなくて、ちょっと待って!という主旨だったのだけど、結構みなさんガンガンだった。で、最後に質問してみた。(ここで見れます。52分30秒ぐらいから。)「上関の賛成派の人たちの気持ちはどうなるの?他の解決法を提案する糸口はあるの?」そしたら、らんぼう君という現地に何度も通っている青年が「僕も複雑な思いです。本当は海岸で阻止活動するだけじゃなくて、賛成派の人たちとゆっくりじっくり話すことも必要だと思う。でもとにかく今は埋め立てられてしまっては未来がないから、緊急にアクションしている」というようなことを話してくれた。なんだかもやもやは溶けた。そうだよね。自分の立ち位置がはっきり分かった気がした。

先週、映画「幸せの経済学」を引っさげて来日されていたヘレナ・ノーバーグ・ホッジさんは、「グローバル経済からローカル経済へのシフト」を言い続けて30年の方。「今は一握りの企業が、国のバックアップを受けて、どんどん大きく国際的になって、私たちの生活とかけ離れた所で経済活動を行なっている。それに伴い、自然破壊や、貧富の差の拡大、それに使い捨ての雇用が大きな問題となっている。つまり経済のグローバリゼーション、ということがとても大変な問題を引き起こしてしまっている。じゃあどうしたらいいか。提案しているのが、ローカルな、地域に根ざした経済を作って行こう、ということ。そうすれば地元で雇用が生まれるし、環境問題も解決できる。これが『幸せの経済学』、つまりローカルなつながりこそ、幸せの経済」話がものすごく分かりやすく、あらためて今、鎌倉のかまわやトランジション・タウンでやっていることの意義を感じた。

まさに上関を今の現状に追い込んだのは、グローバリゼーションだと思う。だから、遠くで作られたエネルギーを使っている私たちの暮らしの問題。安い単一のものを遠くで作って上関に運んでしまっている、世界の問題。あとお金って何?幸せって何?豊かさって何?という問題。今回の問題のルートを辿ると、そこに行き着く気がする。緊急には、上関に原発建てないで!と言いたい。でも、じゃぁその先どうするの?というヴィジョンもしっかり持ちながら。鎌倉での生活は世界と直結しているから、ここでのローカルな暮らしを仲間たちとしっかり気づきながら。それはサティシュが教えてくれたことでもあったっけ。祝島では、100%自然エネルギープロジェクトも始まっています!TPPならぬ、TTP(ちゃんと、たべもの、プロジェクト)も始まっているよ。時間はかかるかもしれないけど、そういうことをそれぞれの地域でやっていくことが、原発をなくしていく一番の近道だと思います。

まだまだ書きたいこといっぱいだけど、今日はこの辺で。。。なんてたって、オーストラリア脳天気組が今日、帰って来るからね!

今回のことで本当にいろいろ勉強になっている。クリアになっている。みんなと話せてアクションできて良かった。ソーシャル・メディア・パワーよ、ありがとう。みなさん愛ある活動をどうもありがとう。上関の賛成派の方もご苦労様です。現地に行けたら、ゆっくりじっくり話を聞かせて下さい。

ヘレナさんのインタビューの続きは、J-WAVE LOHAS SUNDAY、今週日曜日午前8時すぎから!大切なメッセージをこめています。是非、聞いて下さい。