鎌倉とどけ隊、宮城県行き報告(第一弾)

水曜日の夜から、宮城県で炊き出しをしてきました。たった2日間の滞在だったけど、鎌倉の仲間とともに濃厚な体験をしてきました。麻心のしんじと「行こう!」と決めたのが、6日ほど前。地元のつながりやツイッターの仲間たちに呼びかけると、2日×200食の炊き出し分に必要な食材や調理道具が、いっせいに集まりました。それをソンベ・カフェにて一日かけて仕込み。ココモの方たちは、トマトソースを提供してくれました。

伊豆のゆきちゃんや、臨月のゆりちゃんは、手作りクッキーを作って託してくれました。

車両許可証も無事とれ、居残り組に送り出されて、みんなの心とともにいざ出発!総勢20人の旅が始まったのでした。

半分以上は今回はじめて会うメンバー。車の中では原発のことや未来の暮らしのことなど、、、いろいろ話しながら、東北自動車道の菅生(すおう)パーキングエリアまで、田原ようちゃんのパワードライビング。(この人には、今回ほんとに運転おせわになりました)ここで石川県から来ていたまこと君と出会い、一緒に行くことに!旅は何が起こるのか、ほんと分かりません。道路やガソリン事情、2週間前に行った時よりも格段と良くなっていました。

朝ついて、まず向かったのは、石巻市の明友館。リーダーの千葉さんに、「北上町十三浜大指(おおざし)の生活改善センター」という場所を教えてもらいました。受け入れ先をしっかりしていないと、混乱のもとになってしまうので、炊き出しをする際には、必ず現地のコンタクト先、ボランティアセンターや役場などに確認していく必要があります。

石巻市内から大指(おおざし)への道。川沿い、そして海沿いをおよそ2時間。

目の前に広がる光景、、、それはそれは凄まじかったです。
家という家は全て根こそぎ倒され、家財道具はあとかたもなく、4階だての学校らしき建物も、上のほうまで崩れかけています。川には牛がういています。車がそこらじゅうに転がっています。道は至るところで分担され、自衛隊が応急処置した道を、車5台でゆっくり進んで、到着。

今回は、千葉のようじさんが、トラックで水も持参です。

到着した大指は、170人が暮らす小さな漁村。水や電気は復旧しておらず(電気は、夕方5:30〜8:30のみ、特設電源で供給)、完全復旧までは数ヶ月かかるとも言われています。早速、地域の拠点にて、パスタ、生サラダ、ご飯、スープなど豪華メニューの炊き出し開始。自衛隊や民間から物資は届くものの、あたたかい食べ物の炊き出しは大変ありがたい、とみなさん本当に喜んで下さった様子でしたよ。手作りクッキーもしっかり手渡ししました。

ご飯が住んだ後、地元の方が、この地域を案内して下さいました。30世帯のうち、12世帯が津波にやられて全壊。行方が分からなくなっているのが、お一人。そしてほぼ全世帯が生計をたてていた漁業(ほたて、わかめ、かきなど)が壊滅しました。「津波だけだったら、もう一回がんばっぺって思えるけど、原発の被害がなぁ、、、ほんと余計やわ」と話していらっしゃいました。

生活自体は、物資も届き、3日に一度はお風呂に行けるというレベルにまで回復していました。写真は、自衛隊がディーゼル電源を持ち込んでいる様子。自衛隊は大活躍ですね。ただやはり長期的に考えて、家、、、仕事、、、少し先のことを考えるとまだ何も決まっておらず、新しい生活に向かって歩み始められないのが現状のようです。

しびれKINGが歌ったら、女の子たちがもうそれはそれは笑顔!やっぱり歌はいいね。

鎌倉とどけ隊長のしんじと、ここ大指地区リーダーの阿部くん。こういう若いリーダーが、どこの地区でも指揮をとっています。頑張って欲しい!応援し続けたい!しんじは「またBBQやりに来るから」と約束していました。

続いて向かったのは、仙台市でミーティングしていた「仙台とどけ隊」の事務所。このチームは若手実業家が集まってできた災害復興支援団です。とどけ隊(救援配給チーム)、いやし隊(治療家チーム)、もてなし隊(炊き出し配給チーム)、あらい隊(風呂シャワー設置チーム)、しらべ隊(被災地情報収集チーム)、きれいにし隊(理美容チーム)、しわけ隊(支援物資管理チーム)、まとめ隊(事務局総務チーム)、ささえ隊(縁の下の力持ちチーム)と言ったチームに分かれて、それぞれの活動をしています。写真はリーダーの濱口りゅうへいさん。本業はプリン屋さんですが、震災後は地元のために何かしたいと、毎日走り回ってみんなをまとめています。


もてなし隊のリーダー、豊さんに、明日は「陸前高田のうたつ」という場所で炊き出しお願いします、と場所を教えて頂きました。

仙台とどけ隊が提供して下さった2Fの部屋に戻って、明日のために寝よう、さぁ、明日も頑張ろう!、、、と思った矢先、、、午後11時32分。地震です。これまで経験したことのないほどの強い激しい揺れ。さすがに本当に怖かった。建物が崩れてペチャンコになるんじゃないか、という恐怖でした。30秒ぐらいだったかな。私たちがいた仙台市の場所が一番揺れが激しい場所だったそうで、でも停電はしなかった。一階の倉庫に積まれていて物資は総崩れ。

というわけで、翌日は、予定を変更して、まずは物資が入った段ボールの整理で午前中を費やしました。

午後、予定を変更して向かったのは、仙台とどけ隊の多賀さんが紹介して下さった、名取市植松の館腰(たてこし)小学校。仙台空港のすぐ近くです。閖上(ゆりあげ)という壊滅した地域の方たちおよそ200人が避難していました。

大島料理隊長が早速、仕込みを開始。手際よく4、5品作っていきます。

今日は中華丼!

ここの避難所は街の中心部に近いこともあり、自衛隊が朝晩と炊き出ししてくれています。でもレトルトだったりミニマムの食事なので、「今日は豪華だわ!」「ありがとね」「ごちそうさま」と、たいそう喜んで下さいました。デザートのお汁粉も大人気!みなさん使っていらっしゃるお皿が、発泡スチロールだったのが痛々しかったです、、、

ご飯の最後のほうではなんと、歌のプレゼントをさせて頂きました!最初から最後まで手拍子頂いたりして、、、「一時でも、いろいろ忘られて良かった」と楽しんで頂けたようでした。閖上地区は、人口7000人のうち2000人が津波に持って行かれたと、、、歌を聴きながら、涙ぐむ姿も見られて、こちらももらい泣きしてしまいました。

まだまだ仮設住宅にいつ入れるかも分からない、、、という状況のみなさんに被災者鎌倉ホームステイの話もしたのだけれど、やはりこの場所を離れたくない、という思いが強いようです。

でも「いつでもまた帰って来てね」「本当に美味しいご飯をありがとう」と言っていただけて、こんなことしか出来ないけれど少しでもみなさんの健康と笑顔につながって本当に行って良かったと思い、最後はなんだか涙が止まらなくなって、鎌倉に帰ってきたのでした。被災者の方がた、強い。本当に強い。でも胸のうちに秘められた悲しみの塊は相当のものだと思う。そっとそれを支えてあげられることが出来るのであれば、と思い、遠くからでもいつも自分の精一杯をこれからも続けたいと思っています。

今回いろいろよかったこと:
▼できますゼッケン
阪神淡路大震災の時の教訓から生まれた「できますゼッケン」というアイデア。「紙だと雨に濡れちゃうから布で」と、晃平がカーテンをさいて作ってくれたゼッケンが役にたちました。今回は小さな炊き出し部隊で行ったけれど、もっと大きな部隊の場合は特におすすめでは。私は子ども達に「ここちゃん」と名前を覚えてもらったのが嬉しかったです。

▼歌や心やマッサージのお届け
美味しい栄養のあるご飯はもちろんのこと、歌を届けること、マッサージをしてあげること、ちょっとした話し相手になって差し上げること。こういった心身のケアや交流が、すごーく求められていると感じました。そういったことを押し付けがましくなく何気な〜く出来るメンバーがたくさんいた最強チームでした。

▼地震を経験したこと
0311以来の大余震。腰がぬけるかと思ったけれど、あれを体感したことで、どんなに自然災害が怖いか、少し理解できたと思います。人間にはなす術もない状況ってあるんですね。ただ立ち尽くししかない。人間の無力さを思い知りました。

そして今回、何よりも良かったことは、鎌倉の地元の仲間たちと協力してこのプロジェクトを始められたこと。現地に行ったメンバーと同じ光景を見て、地震を感じて、過酷な行程を1人残らず全力で成し遂げたこと。行く前に「災害ユートピア」という本をパラパラとめくっていたのでより強く感じたのかもしれないけれど、こういう有事には、今まであった秩序がことごとくこわれることで、逆に人間らしい「つながり」を求める本能や助け合いの精神がわき上がり、それは地獄の中の天国とも言われるほど、人間くさい社会、一種のユートピアが形成される。お金や秩序が元に戻って来た時に、それをどう継続していけるのかが、私たちのチャレンジです。最後は涙、握手、はぐのお別れでしたが、終わりがまた始まり、と思いました。

しんじ、大島さん、田原ようちゃん、山田のぶなり、こうへい、宮部くん、オペラ歌手けいご、天谷さん、しんじさん、ダルマ、つよし君、おさむ、大石さん、大内さん、ジャワ、ルイス、れいこちゃん、しびれ、たかし、石川のまことくん。誰がしきるでもなく、みんながその時々に臨機応変に精一杯行動し、結束力と信頼関係のある素晴らしいチームでした。ありがとう&これからもよろしく!

そして具材や準備品や仕込みのための時間やエネルギーをいろいろ提供して下さったみなさん。鎌倉市民フォーラム(上野さん、川瀬さん、阿部さん他みなさま)ぶんちゃん、あゆちゃん、たいきくん、野田さん、かなえちゃん、しびれ、宇治さん、長嶋さん、すずまゆ、ゆりちゃん、ぎぎまき、kicksひでさん、永久顕治さん、伊豆のゆきちゃん、ココモ、アジア商会、かままん、宮部くんのお父さん、ひな&Happy go luckyチーム、佐助ストアー、たかいく農園さん、グリーンTV水野さん、まきちゃん、野田さん、PIKALE、、まだまだ書ききれないのですが、みなさん。今回は本当にありがとうございました。一つの小さくて大きなチームとして、また鎌倉で、被災地で、未来につながる街作りをこれからもしていきましょう。

第二弾は来週火曜日夜に出発〜金曜日朝に戻り予定。ソンベ・カフェの宇治さんが隊長となります。ドライバーや人手(できれば男子)、まだまだ募集していますので、行きたい方は、直接こちらまで。0467-61-2055。引き続き具材の提供もよろしくお願いします!送り先は、〒248-0016
鎌倉市長谷2-8-11 麻心(まごころ)0467-25-1414です。

私は取り急ぎ任務終了で、ひとまず来週は阿蘇に向かいます。被災地に行かなくとも、中長期的な支援を考え、実行していきます。鎌倉とどけ隊第一弾任務終了ということで、お疲れさまでした&ありがとうございました!!!

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