草原を守ろう

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エリの家(熊本県・阿蘇の白川)から20分ほど車を走らせれば、道の両側にはニュージーランドを彷彿とさせるような大草原が広がってきます。山を登って行くにつれ、優雅に草を食べる牛たちが出迎えてくれ、遥か下界にはキラキラと水をたたえた水田が広がってきます。ここが日本でも有数の観光地としてあげられる、阿蘇山の草千里ヶ浜。向こう側には火山活動が活発な阿蘇山(中岳)が見えます。九州って地熱が高いっていうイメージがありましたが、さすが熊本は「火の国」と呼ばれるだけの底力みたいなものを持っている感じがします。以前行ったイースター島にも勝るとも劣らない絶景!

一面に広がる草原は、目の保養のためだけに機能しているのではありません。しかも阿蘇の自然は「かなり人の手が入った自然」です。草は牛の食べる飼料として重要ですが、草原はほっておくとススキのような大きくて固い草がどんどん生えて来てしまいます。そこで冬には大々的な「野焼き」をして草原のお手入れをしているのです。例えば阿蘇グリーン・ストックという団体は、野焼きのボランティアを募るなどの活動をして、阿蘇の緑の大地を保全する活動をしていますが、そういう活動のおかげで人も牛もハッピーでいられるのです。

nakabo.jpgまたススキのような固い草を刈り取って、家の資材や牛の飼料、ひいては石油に変わるバイオマスのエネルギーに使ってみようという試みも始まっています。九州バイオマスフォーラム(左写真:事務局長の中坊さん)では、経済産業省の環境コミュニティ・ビジネスモデル事業に昨年度から選ばれて助成金をもらい、草原を維持するための経済的インセンティブを作り出す計画を準備中です。日本の草原の総面積は11%から3%に減ってしまっているそうで、家畜の飼料も海外からの輸入に頼るウェイトが大きくなっているのが現状です。でもせっかく地元に草原資源があるわけだし、ちょっと手間をかけて、流通をオーガナイズして、自分たちの地域で飼料やエネルギー、それに経済も産み出しちゃおうよ、という発想なわけです。まさに地域の中でいろいろなものが回っている「循環型地域」を目指す取り組みが阿蘇では始まっていました。

chiechan.jpgエリの家に居候中の千恵ちゃんも、阿蘇の大自然を守り育てて行くことに一役かう仕事をしています。ASO田園空間博物館というその壮大なプロジェクトは、一言で言えば「屋根のない博物館。」 千恵ちゃんは日本グランド・ワーク協会からの出向で2年間阿蘇に来てるそうで、地域住民/企業/行政の三つの主体が協働して持続的な地域社会(Sustainable Community)を作って行くために、阿蘇をさらに魅力的な活力のある地域にするために、頑張っています。

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さぁ草千里ヶ浜をたっぷり堪能したあとは、地獄谷温泉へ!古くから湯治場(とうじば)としてリュウマチの患者さんなどが1週間〜2週間ぐらい、たっぷりと療養に来ていたところ。このドロドロのお湯とおいしい山の空気が昔から人々を癒して心身ともに健康にしてきてくれたんだなぁ〜。1週間とはいかないまでも、私たちも3時間ぐらいゆーっくり。自然と人が共生する阿蘇に、すっかり虜になってしまった一日でした。