フランス山奥でのオルタナティブ暮らし:アリエージュでの滞在

3年ぶりにヨーロッパに来ています。仕事を兼ねてのバカンスで、観光地を訪ねるわけでもなく、いつものように友人宅に滞在させてもらいながら、彼らの日常を共にさせてもらうという、娘との2人旅です。 フランスでは北東部のアルザス地方のストラスブルグ付近で ヨーロッパの古い町並みと歴史を堪能し、

正式なフレンチ・ランチに誘われて、折り紙を披露してみたり、

とにかく重厚感のある美しい街並みと 人々から感じる気品にクラクラしてしまいそう。

ここは宮崎駿の「ハウルの動く城」の舞台にもなった場所、 と言えばイメージが沸く人もいるのでは?

そして南仏。地中海沿いのプロバンス地方では、どこまでも澄み渡る紺碧の空と海にいやされて、そこに住んでいるかのように、フツーに日常生活をさせてもらったのが、とても有り難かったです。気づくと、これは映画の中なんじゃないか?という錯覚におちいるほど。うーむ、優雅!ヨーロッパは高いから、フツーにホテル生活じゃあ、なかなかねぇ〜。

そして、さらにディープなフランス体験へ、、、。ピレネーのアリエージュという街を訪ねてみることにしました。一年前に偶然タイのビーチでバカンスをともにして仲良くなった岡庭たえちゃん一家が移り住んだということでお邪魔することに。かなり山深いとは聞いていたけれど、こんなところに住んでいるとは!

家から見える風景。見渡す限りの山、山、山。 雪山の向こうは、もうスペインです。

1960年代にヒッピーが移り住んで来て以来、ここは解放区?というかオルタナティブな価値観のクリエイティブな人たちが集まる場所に。「自分たちの生活を自分たちで作るんだ」という意気込みの人たちが移住してきているそうです。

家を作ったり、狩りをしたり、

チーズや野菜を作ったり(手作り新鮮チーズの美味しいこと!ヤギの可愛いこと!)

パーマカルチャーファームを始めたり

みんなそれぞれに自分ができることを、自然と真っ正面から向き合って、不自由をものともせず、季節ごとの変化を楽しみながら、逞しく、美しく生きていました。ゆるやかな地域のつながりを保ちながら、新旧がいり混ざって、出来上がってしまった社会のルールやシステムには縛られずに、お金や経済ともなんとか折り合いをつけながら、自分たちらしさを育てながら果敢に朗らかに挑戦している。「何もないけど、全てがある」という生活、ここにも発見!という気がしたし、なんだかすごく励みに、刺激になったのでした。

たえちゃんファミリー、本当にお世話になりました。 美しい生活をシェアしてくれて、どうもありがとう!


さてアリエージュでも、たえちゃんがパッパと新鮮な食材を活かして作るフレンチを堪能させてもらったのだけど、フランスはやっぱり美食の国だなぁと改めて実感しています。パンとチーズはもちろん新鮮で美味しいものがどの街にもそろっていて、しかも安いし

各地のご当地メニューと言われるようなものも、たくさんあります。北東部ではクリーミーな料理が多かったけれど、地中海沿いはマリネなどさっぱりしたものが楽しめました。

季節ごとの野菜や果物もたくさん!
今はいちご、チェリー、アスパラガス、アーティチョークなどが旬。 そしてやっぱり青空マーケットがいいね! フランスは食糧自給率130%ということで、野菜などはほぼ地元産です。

オーガニック食品の普及も急速に進んでいるようです。 フランス各地には300店舗以上のBiocoopがあり、品揃えも抜群で、値段もそう高くない。オーガニック市場におけるビオコープのシェアは16%にもなっているそうですよ。はぁー日本にもこんなお店がいたる所にあったら〜。うらやましい!

そして肉の消費量には本当に驚かされています。牛、鶏、豚、子羊、あひる、ウサギ、いのしし、馬など、、、何でも食べる。しかも大量に。美味しいことは美味しいのだけれど、よくもまぁこんなに食べられるね、というぐらい。やっぱり健康の面でも、環境負荷の面でも、倫理面でも、これは少しずつでも考え直さないといけないよね、とよくそういう話になりました。

それからスイーツ!フランスのパティセリーの奥深さはものすごいんですね。どこにいっても繊細で美しいスイーツの数々。毎晩、夕飯は午後9時ごろからと遅くゆっくりゆっくり頂きますが、食後には必ず甘いものを欠かさないと言うフレンチ。美味しいものを追求する国民性がよくあらわれています。

フレンチは批判的、スノビッシュ、美意識が強いなどの国民性のイメージが一般的ですが、どれもその通り。そして食に関しては特にプライドがあり、フランス料理をどこまでも愛しているという感じがします。人生をとことん楽しみ、優雅に暮らそうとするフランス人の意気込みはすごい!と感心せずにはいられません。

でも原発のことにしてもそうだけど、「フランスも原発大国よね。どうにかしたいと思わないの?」と聞くと、ほとんどのフランス人は「そうだよね、チェルノブイリも憶えているし、福島は今も大変だよね。絶対、やめたほうがいいよね」と言うのに、ドイツのようにアクションに結びついていない。一般家庭ゴミのリサイクルも日本よりも格段に遅れています。「ドイツはすごいけど、うちはまだまだそのレベルにはいってないよね」というのがフランス人の通説。

自分と関係ないことはどうでも良くて、自分の生活に関することにはすごく細かくて、激しく主張する。というのは世界中のどこでもユニバーサルな人間心理なのだろうけど、フランス人は特にそういう傾向が強い気がします。表面には見えないけれど、すぐに自分の生活に跳ね返ってこなくても、誰もがすでに気づいている食の健康・環境負荷のことやエネルギーの向こう側のこと、もっとフランス人の意識向上や行動変化に期待したいな、と思わずにはいられないのです。食やライフスタイルに美意識を求めるフランス人がもっと声を出せば、かなりいろいろと大きく変わるはず!と思うから、、、フランス人の真の「気品」が問われている気がします。