ジュネーブでの刺激

すごく久しぶりのブログ更新!ジュネーブに来てから、はや3週間目。あと1週間ほどで、晴れて卒業式!

こちらで何をやっているかというと、ジュネーブは、世界でも一番国際機関が多く集まっているところ。というわけで、月曜日〜金曜日は、いろいろな国際機関(国際政府とNGOと両方)をまわって、彼らがどういう戦略で何をやっているのか、何が課題なのかを、レクチャ−してもらっています。今までに、国際連合国連難民高等弁務官事務所国際自然保護連合WWFWTO (世界貿易機関)IISDなどに行きました。そして先週一週間は、LEADというイギリスのNGOが主催する、「国際交渉ネゴシエーションのワークショップ」に参加。20人ほどの参加者がそれぞれの国の代表に扮して国際交渉をする模擬国連みたいなもんで、国連での意思決定プロセスを体験しました。

ちょっとまとめ切れないぐらい多くの事を学んでるのだけれど、印象的なことをいくつか。

1/国連(国際組織)の改革が必要。例えばWTOやWorld Bank(世界銀行)の政策が発展途上国に不公平で抜本的な改革が必要だ、というのは国連内部で働いている人全てが思っていて、頻繁に話し合われていること。でも組織がデカイだけに、なかなか動きがとれない、省庁間の対立、組織の硬直化・断片化がネックになっているのは、どこも同じ話。(環境省で一ヶ月働いたときも、同じことを感じた)決定プロセスも、民主主義を重んじるあまり、とてもスローで遅々として進まない。

2/特に、私の勉強しているエリアで関係しているのは、”Sustainable Development” (持続可能な発展)というコンセプトを、どうやって国連組織で浸透させるか、ということ。現在、一番近い仕事をしているのは、UNEP(国連環境プログラム)なのだけれど、UNEPは国連の一つのプログラムでしかなく、「経済」「社会」「環境」の三つの柱のうち、「環境」がメインの仕事。しかもUNEPは、政策レベルの仕事が多く、実際の現場での仕事が少ないと批判されている。UNDP、WTOなどとのコラボレーションもあることはあるけれど、国連組織内での権限は弱い。

3/国際自然保護連合(IUCN)など、かなりしっかりとした国際NGOが存在するのは、頼もしい。例えば生物多様性の国際議案のドラフトを書くためのリーダーシップを取ったりと国際政策にもかなり積極的に意見を言っている(というか、実際に作っている)。いよいよNGOの時代だ、とつくづく感じる。NGOの方が、政府組織に比べて仕事の異動率(turn over)が高い=それだけ色々な現場を経験しているということ。

4/世界で二番目に住みやすい街(一番目はバンクーバー)とされるジュネーブに住んでいる高級(高給)官僚が、どれぐらい自分たちの生活の中に環境意識や世界への慈悲の観念を取り入れてるかは、はなはだ疑問。とても優遇されている環境の中で生活している人たちが、世界の貧困層や難民や教育を受けていない人のことを考えて政策をたてるのは、限度があるんじゃないか、と思う。どれぐらい痛みを分かち合っているのか? 南北問題や環境問題って、先進国に住む私たち一人一人のライフスタイルをもっとシンプルにすれば解決出来る事ってものすごく多いっていうのは、今や自明の理。でも高級官僚は、どれぐらい自分の生活を見直すことをしているんだろう?

とにかく「国連」と言っても、実体が全然分からなかったので、どういう組織になっていて、どういう人たちが働いていて、ということがビビッドに分かって、とても勉強になっている。これからの自分の仕事でどれぐらい関係するか分からないけれど、知識や感覚として気に留めておく事はすごく大事な気がする。

帰国子女で英語が出来たこともあって、昔は「国連で働く」というのが漠然とした夢だった。でもジュネーブでの経験は、国連って、他の大きな組織と同じく、ドキュメントや会議が多くって非効率的だし、現地の人たちのことをどれぐらい分かって働いているのか?という疑問は大きくなるばかり。

なので規模は小さくても、着実に地域で成果を出している事に関わって行きたいな、と今は思うようになりました。とりあえずはそういう所で経験を積んで(アジアかなぁ〜と漠然と考えているけれど)、それからもっと、国際スコープのある組織に移るのもいいなぁ〜とか。あ、でもその前に、やっぱり映画を一本作りたい。帰国したら、企画書を書いて、ファンド・レーシングして… フィジーの先住民族プロジェクトもあるし….学生生活も終わるし、いろいろ始めるぞ〜! 

あとは英語の重要性をつくづく感じる。(ジュネーブはフランス語だし、国際機関ではフランス語を使うところも多いので、もちろんフランス語も大事なのだけどね。)環境問題とか世界規模の問題に関わって行くと決めた以上、英語は必須だね。どれぐらい英語で自分を表現できるか、読めるか、書けるかっていうのはすごく重要。ものすごく上手でなくてもいいけれど、ハイレベルの会話をきちんと出来るように、意識して毎日頑張っています。

だって、ジュネーブに来てから、いろいろな課題(貧困、教育、ジェンダー、HIV/AIDS、環境、貿易、生物多様性などなど)に携わっている、いろいろな国の人たちにあっているけれど、みんな英語がすっごく上手なんだもん! レバノン人、セルビア・モンテネグロ人、ザンビア人、ハンガリー人、ウズベキスタン人、スペイン人、ノルウェー人などなど。頭もシャープで、ロジカルで、刺激になっています。何人かはこれからもつながっていく友達になれたのが嬉しい。

私はやっぱりインターナショナルな雰囲気が好きみたい。英語で話すのも好きだし、いろいろな国や文化や言語に触れるのが大好き。いろいろな国の人が、共通した目的やビジョンを持って活動しているというのは、つくづく勇気をもらうし、自分ももっと頑張ろうと思える。サステイナブルな世界に向けて!