心で考える BePeace(ビーピース)

bp024.jpg

ずっと気になっていたBePeace(ビーピース)のトレーニングをコスタリカで受けてきました!とてもピースフルな環境で、じっくりゆっくり学んだ3日間。写真は先生のダイアナさん(コスタリカ在住アメリカ人)と、受講生のななちゃん(エクアドル在住日本人)とフリオ君(メキシコ在住メキシコ人)。 bp02

BePeaceとは、自分やほかの人と平和的にコミュニケーションをはかってつながりを育む手法。「軍隊のない平和な国コスタリカで平和活動をしよう」とやってきたアメリカ人のリタ・マリー・ジョンソン氏が提唱し、ラスール・ファンデーション・インターナショナルという組織を立ち上げて、2004年ごろからコスタリカやアメリカを中心に広める活動を展開しています。

BePeaceは、アメリカで1991年に設立されたハートマス研究所The Institute of HeartMath、心の科学にまつわる研究をしている非営利団体)と、アメリカ人のマーシャル・ローゼンバーク博士が提唱して世界的に広がる非暴力コミュニケーションNon Violent Communication、平和的コミュニケーション方法を提唱している非営利団体)の両者の手法・主張をかけあわせたようなスキルセット。というと難しく聞こえますが、ようは「頭よりも心で感じたり考えたり、自分や相手の感情とニーズを理解することで、共感を生み出し、平和的に問題を解決する手法」と言えます。BePeaceは簡単に言うと「心の声を聞き入れ、自分自身や相手とのつながりを育む手法」なのです。

bp05

2006〜7年ごろには、コスタリカのサンタアナという地域の小学校にて600人の先生たちがBePeaceのトレーニングを受け、すでに8万人の小学生たちが受講したという実績があります。結果的に「75%の生徒たちが普段より落ち着いて勉学に取り組むようになった」「テストの成績が平均10〜25点あがった」「イライラしたり突発的な行動に出る子ども達が減った」「学校の活動に積極的に参加し、感情移入できる子ども達が増えた」などの効果があったそうです。

私もコスタリカの小学校で環境平和教育に取り組む新米の教師として、ぜひ学校現場に取り入れたいという思いからトレーニングを受けてきましたが、なるほど、これは小学生にも効果ありそう〜!と思いましたよ。「心で感じる、考える」とか「自分の感情やニーズを理解して、的確な言葉でそれを伝える」って、当然のことのようで日本の学校では(いや、世界のどの学校でも)教えてないですものね。大人だって、言うが易しで、出来てる人って少ないのではないでしょうか。BePeaceを学び実践すると、「ストレスが軽減される」「否定的な感情から解放される」「感情のバランスが保てる」「対立をクリエイティブに解決できる」などの効果が期待できるそうです。

というわけで以下、簡単なメモ書きです。(普通は4日間の基礎コースですが、今回は受講者が3名と少なかったこともあり、全行程を3日間で終えました)

---------------------------------------------- Day 1

初日は、BePeaceとは何か、組織やビジョン紹介などのイントロダクションから始まり、早速、BePeaceの真髄へ。まず習ったのは、ポーズすることの大切さ。嫌なことを言われたり困難に立ち向かったとき、ついつい咄嗟に反応してしまいがちだけれど、まずは一呼吸おいて、そこで考える、、、ちょっと立ち止まってみる、という言ってみれば、当然のことです。

bp01

それから感情(Feeling)とニーズ(Needs)のアクティビティーをしました。ピンクが感情(気持ち)のカードで、ワクワクする、感動する、イキイキする、罪悪感がある、イライラする、落ち着かない、心配するなどの感情が書かれています。緑がニーズ(または価値観)のカードで、愛されたい、共感をえたい、希望をもちたい、美しくいたい、安心したいなどの希望が書かれています。

これをもとに、「私は今、◯◯とか◯◯って思っているの。それは◯◯というニーズが満たされていないから(満たされているから)なのよ」という実際の人生経験に置き換えてカードを選びます。これも当たり前のことだけれど、「嬉しい」とか「悲しい」という分かりやすい感情だけではなくて、いろいろな感情やニーズに名前をつけて理解することは大切だと感じました。特に日本人はなんとなーくこう感じてると察するだけで、自分の気持や感情を整理して伝えることって慣れてない人が多いから、このアクティビティーだけでも学ぶべきことが多そう。特に子どもにとっては「あぁ、僕は今、こういう気持だけど、それはそれでいいんだ」っていう気づきにもつながって、それだけでパワフルなんじゃないかな。自分は何ものか?自分はなぜ今こう感じているのか?ということをすっきり理解するのは、誰にとっても、とても大事なことですよね。その気づきは「自分は何者か」ということにつながるわけですから。

bp07

それから相手の話を聞いたり立場を理解して「あなたは◯◯っていうニーズがあるのにそれが満たされてないから、◯◯って思ったのね」と整理して受け止め、共感するという練習をしました。

これがなかなか大変。どうしてもジャッジしたり、アドバイスしたり、勇気づけたり、批判したりしてしまうのだけれど、ただただまるで空気のようにそこにいて、ゆっくり時間をかけていいから気持ちやニーズを丁寧に受け止めてあげる、そうやってつながりを担保して、相手と一つになりながら問題解決をすることの大切さを学びました。(ここら辺がいわゆるNVC:非暴力コミュニケーションの手法の一部です)

次にハートマス研究所が提唱する、コヒーレンス(Coherence : 一貫性、筋が通っていること、つじつまが合っていること)の実践です。ようは「心と脳を同期させる(脳→心ではなく、心→脳)」ということなのですが、簡単なテクニックとしては、こんな感じ。

Quick Coherence Technique 1. ハートに意識を向ける(Heart Focus) 2. ハートで呼吸する(Heart Breathing) 3. ハートに感謝の気持を広げる(Heart Feeling of appreciation)

ハートで考えるというのは、瞑想を実践したり、チャクラの勉強をしているので、すんなり理解できたけれど、そういう経験がない人にとっては、新しい経験かもしれないと思いました。最近ではアメリカを中心にヨガやマインドフル瞑想が子ども達の心にとても良い、と実証結果が出て教育現場にも取り入れ始められているけれど、BePeaceでもとにかく心を静め、心の声を聞けと繰り返し教えられるのです。頭ではなく心からふと沸き上がったことは、誰かをジャッジしたりすることなく、常に愛とリスペクトにあふれているし、誰かや何かをコントロールするのではなく、コネクションを育むように出来ているはずだから。

そして何かいざこざや予期せぬことが起きた時、上記の3ステップに加えて、「私に今、何が必要か」を心に聞くことで浮かんで来た洞察を受け止め、それを実践することの大切さ(Heart Brain Insight)を学んで、一日目終了です。ふー、濃かった!

---------------------------------------------- Day 2

二日目は初日の延長という感じで、コネクション・プロセス非暴力コミュニケーションについて、より詳しく学びました。

bp04

コネクション・プロセスは、一日目に学んだことの応用編なので、省くとして、非暴力コミュニケーション。4つのステップはこんな感じ。

Non Violent Communication 1. 観察 Observation (not Judgement) 2. 感情 Feelings (not Thoughts) 3. ニーズ Needs (not Strategy) 4. リクエスト Request (not demand)

まずは自分や相手の気持をじっくり観察します(一日目で習った、「ポーズ」に似ています)。そこにジャッジや批判はいれません。その上で、自分や相手の感情を理解します(これも一日目に習いました)。感情とは「こうだろう、という思い」とは違うことに注意。それからなぜそういう感情が沸き上がるのか、自分や相手のニーズを整理して受け止めます。その上で、じゃぁこうして見ない?というリクエストをお互いに共有するという一連のプロセスが、非暴力コミュニケーションです。

こう書くとなんのこっちゃ?という感じですが、具体的な例でやってみると、なるほど!と腑に落ちる感じ。普段どれだけ自分や相手を批判することに慣れているか、、、とちょっと落ち込みました。どちらがが正しいかと決めつけたり、どうせ私(あなた)はと批判的になったりするのをやめて、自分や相手の感情やそれを引き起こしているニーズを落ち着いて整理し、お互いに心を通わせて問題を解決することに、なんと救いがあることか!

bp06

とにかく人生を豊かにするコミュニケーションとは、相手をコントロールするのではなく、相手とのコネクション(つながり)を育みながら行なうものなんだよなぁ〜、と納得した二日目でした。

---------------------------------------------- Day 3

最終日三日目。さらに応用という感じで、この日はコネクション・パスコネクション・メディエーション(対立があった時に、どうやって間に入って調停するか)の方法を学ぶとともに、流れがスムーズに感じられるように何度も実践練習をしました。

最後はこれからどうやって学んだテクニックを実践・応用していくかを話し合い、コース修了証書をもらってセレブレーション!体調が優れないなか、リポートも尻つぼみになってしまいましたが、無事にBePeaceの基礎コースを修了しました。 ----------------------------------------------

この3日間、いろいろな思いが頭をよぎりました。正直、BePeaceやNVCについては期待度が高かっただけに、「ふーん、そんなものか」という印象でした。心にフォーカスするなどの気持を落ち着かせる手法は、瞑想やヨガでさんざんやっているし、心を落ち着かせて相手に思いやりを向けて共感を育みながらコミュニケーションする、、、ということは常識的なことで、何も新しいテクニックを学んだ!という気がしなかったんです。

でももちろん気づきもいーっぱい。一番面白いな、と思ったのはEmpathyという言葉/行為。日本では共感、同調、同情、情けなどと訳されるけれど、ようは相手と心を通わせて、その人の立場にたって考えること。これが出来そうで、やってみると、なかなか難しい。じゃぁ共感度を高めるためにどうしたらいいかと言うと、自分や相手がもっている「感情」と「ニーズ」と言ったものを見極めたり予測したりするんですね。そうすると、あぁーあなたは実はこう思っていたのね、ってもっと広い心で自分のことも相手のことも捉えられる。

先生のダイアナさんが言っていたように「この3日間でやったことは、ピアノで言えば、指ならしの練習。これからどんな音楽をひくかは、あなた次第」。特にNVCについては、「実践してみてその効果が始めて分かった!」という人が多いのも知っています。だから「ふーん」という感じだったけど、これから日常生活に実践していくごとに、BePeace、平和を培う自分自身の大切なツールの一つになっていく予感大です。そのうちに、わ、これすごい!という瞬間がたくさんありそうな気がしてワクワクします。そしてBePeaceのエッセンスだけでも来週からコスタリカの小学校で早速教え始めるので、とても楽しみ!

こうやって平和的手法を開発して広めている人たちがいることはこの世界で救いだし、応援したい。BePeace、日本ではきくちゆみさんを筆頭に事務局が立ち上がり、BePeace Japanとして活動を開始していますよ。基礎コースの受講もできるので、要チェックです。BePeace!

Slide 1