チョイス・エディティングとは

issuecover59.jpg愛読のイギリスのサステナ雑誌、Green Futures59号の特集は、Ethical Consumerism. 日本語で言うと、グリーンコンシューマー。その中でも、ダントツに面白かったのが、”Choice Editing”という概念と活動の紹介でした。日本語では、「選択肢の再編集」と言う訳でしょうか。持続可能な消費の新しいパターンを提唱し、実践する人たちの間では、今や、ちょっとしたバズワードになっているようです。

“Choice Editing”とは、簡単に言うと、「持続可能でない商品を市場からなくしてしまう」というもの。自然環境や現地生産者の生活に配慮していない「ダメな商品」は陳列棚に置かないようにする、そのために政府が介入したり、企業が自主的に商品販売を取りやめる、という買い物のパターンを変えて行く一種の強硬手段とも言えます。

背景には、オーガニックやフェアトレード商品などが色々と出て来て、マーケットシェアも伸びているものの(イギリスでは現在3〜5%、数年後には7〜10%になるという予測)、普及のスピードがまだまだ遅い。グリーンコンシューマーだけに購買を減らしたりパターンを変えたりするのを望んでいたのでは、マーケット全体のシフトとしてはなかなか変わらない。もっとシステマティックに、劇的に変えて行くのであれば、市場から非倫理的な商品の選択肢を排除していくしかない。と言ったことが挙げられます。「もはやファトレード信奉者だけのニッチマーケットではなく、グリーンな消費行動を一刻も早く、メインストリームにして、より大きなマーケットに拡大しなくてはならない」と言う訳です。

確かに、今までのグリーンコンシューマー・ムーブメントって、オーガニックやフェアトレード商品をどうやって広めるか?っていうことに集中してましたよね。それも重要だけれど、そもそもフェアじゃない商品の選択肢をなくして行くための政策やビジネスの在り方を考え、実践していくっていうことは、なんだか当たり前なのだけど新鮮な発想です。

チョイス・エディティングの具体例をいくつか;

1/無鉛ガソリン(lead-free petrol)は、以前は自主的な選択だったのですが、イギリス政府はethical consumerismに頼っていても需要はのびないと判断し、それ以外の商品を規制。

2/政府からの規制に限らず、企業からの自主的なChoice Editingも。イギリス最大手の卸売業者、Marks & Spencerは、「私たちは一部の商品だけをエシカルにすることは考えていなくて、全ての商品ラインナップをエシカルなものに買えようとしている。なぜなら私たちのお店に来るお客さんは、どれがエシカルで、どれがそうじゃないかと自分たちで見分けるのではなくて、全て私たちにそのスクリーニングを委託したいと思っているから」ということ。Choice Editingは彼らの重要なマーケティグ戦略に位置づけられているようです。

しかも、Choice Editingは、一部のライフスタイル転換推奨者が一方的にプッシュしていることではなくって、消費者の裏付けに基づいてのアクションです。National Concumer Councilが2005年に行なった調査によると、消費者のうち74%が、Choice Editingに賛成しているそう。消費者から「環境に優しくない商品は規制してくれ!」という積極的なアクションがなくても、多くの消費者の意識はすでに高く、少々、価格が高くなっても、エシカルな消費を購買したいと思っている人は実はとても多いというわけです。

グリーン・コンシューミングに関しての議論もアクションもまだまだ始まったばかりの日本。それに比べて、イギリスはいろんな動きが活発化して、とても刺激を受けます。この記事、こちらで全文が読めますよ。(英語です)