エコビレッジ国際会議に参加して

begood061029_1.jpg週末は、BeGood Cafeが主催した日本初のエコビレッジ国際会議に参加しました。初日の土曜日はgreen.tv日本版の取材活動の一環として、二日目の土曜日は司会としての参加。総勢12名の国内外ゲストのお話しやインタビューはとても示唆にとんでいて、日本も含めた世界中のエコビレッジの事情を理解する良い機会になっただけでなく、日本でこれから更に盛り上がってくるだろうEVのムーブメントの兆しを感じる事が出来ました。

一日目は、「世界のエコビレッジ 軌跡と未来」と題して、主に海外の事例紹介。パーマカルチャーセンター・ジャパンの代表理事で、日本大学教授の糸長浩司(いとなが・こうじ)さんのキックオフ・スピーチに続いては、1968年にオープンされた世界で最大級のEV、インドのオーロビル(Auroville)在住で、GEN(Global Ecovillage Network)評議員のマルチ・ミューラーさん。世界初のパーマカルチャーEV、オーストラリアのクリスタル・ウォーターズの創設者マックス・リンデガーさん。LA エコビレッジを創設し、2006年カルフォルニア州ウーマン・オブ・ザ・イヤーを受賞したルイス・アーキンさん。そして国際的にも高い評価を受けているNY郊外のEV、イサカの創設者リズ・ウォーカーさん。

二日目は、「日本の扉」と題して、日本の事例の紹介。EVという名乗っていなくても、持続可能な住まい方を目指したエコ住宅やコミュニティー形成というのは、国内でも至るところで既に起こっているんですね。環境共生住宅を提案している岩村和夫さん。日本でいち早くEV住宅をたて始めた建築会社、アンビエックス社の相根昭典(さがね・あきのり)さん。日暮里のコレクティブハウス、かんかん森の住人で建築家の木村ひろこさん。滋賀県で1000人が住めるEVを進めている株式会社地球の芽の高田友美(たかだ・ともみ)さん。PICA山中湖の山田貴宏さん(やまだ・たかひろ)さんの方々が、既に日本で始まっているEVの事例を紹介して下さいました。

非常に荒削りですが、印象的だったことのメモを残しておきます:
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1/糸長さん(持続循環型社会構築のための理論だけでなく、実践もしていらっしゃる日本のEV博士とも言える方です)「EVは、動物、植物、微生物が循環している場所。そして、できるだけコンパクトに自分たちの暮らしの要求が満たせるようにしようとしているところ。生態性、社会性、精神性(natural ecology, social ecology, spiritual ecology)の何に重点を置いているかは、場所によって違う。EVのネットワークは、大資本のグリーバリゼーションに対して、意識のある市民のオルタナティブ・グローバリゼーションのネットワークの構築を目指している。」

糸長先生は、デンマークエコビレッジのツーラップ、ロンドンのバイオリージョナルによるエコビレッジZBed、イギリスのC.A.T.(エコ・ディフ地域)などの海外事例を紹介したうえで、「日本でのEVの可能性は二つ。一つはEVを新しく作り上げる事。もう一つはEV化(EVイノベーション)。後者は、日本の田舎の13万5千の集落や過疎化していく農村への最定住(里山の特徴を活かした自給自足のエコビレッジ)を意味する。それから大規模に作ってしまった団地をどれだけ再生するか。都市の中にどれだけ持続循環系の仕組みを作るかが鍵」だと。

「すでに九州パーマカルチャーセンター、神奈川県藤野町、日大でもストローベイルを使った建物、経堂の杜かんかん森などのコーポラティブ・コレクティブハウスなどのプロジェクトが始まっている。」

2/マルチ・ミューラー「EVのポリシーは、持続性プラス。つまり環境から自分たちが取る以上のものを、自然へ返すとうこと。ただ単に持続性だけではなくて、もっともっと自然に戻さなくっちゃならない。」「EVは、都市にあるものもあれば、田舎にあるものもある。伝統的なものもあれば近代的なものもある。規模も大切にしていることも様々。ただ全てのEVは同じような価値で成り立っている。それは人間の団結、地球の生態系の回復、世界に平和を広げようという考え方、生き甲斐のある生活(Meaningful Livelifood)というもの。そして大半のEVには、教育センタ−が併設されていて、教育やトレーニングに力を入れている。」「どうやってEVを作るか?まず視察にいく。そして誰と作るか、価値や憲章を決める。資金源はいろいろなところからくるー自分たちのお金、プールしておく、小さな事業、寄付、政府・UN・国際機関の助成金など。」

「日本はEV形成に向いている場所。その理由:グローバル化の中で精神的、金融的な危機を迎えている。若者は変革を望んでいる。物価が高いので、みんなで住むと安上がり。日本は混雑している。(80%は東京と大阪の間に住んでいる。)もっと自然に戻りたいと願っている人が増えている。禅、座禅、瞑想、武術などが盛ん。日本は伝統的であり、近代的。バンブーハイテク。秩序だった国だけれど、近隣(中国、北朝鮮)は混沌としている。」「日本は、魚の乱獲、近隣諸国に有害物を廃棄する、中南米の森までも破壊するーこれらのテーマを真剣に考えないといけない」

マルチさんが写真で紹介してくれたエコビレッジの数々。世界に既に15000ほどある。エコヨフ(アフリカ、セネガル?)、アイボリーパーク(南アフリカ)、Findhorn(スコットランド)、ダマヌール(イタリア)、ゼド(ベルリン)、Lebengsgarten(ドイツ)、コーハウス・ムーブメント(デンマーク)、イサカ(NY)、ザ・ファーム(テネシー)、エコビレッジ(LA)、Ecoaidea(メキシコ)、ブラジル、Torri Superiori(イタリア)、La Caravana(移動するエコビレッジ、メキシコ→中米→アフリカへ)、ガイア(アルゼンチン)、Sortavala Ecovillage (ロシア)、Midrand Youth Village(南アフリカ)、Arcosanti(New Mexico、アメリカ)、Aurovillve(インド)、Manitou(コロラド、USA)、Earthiships(コロラド)、Cerro Gordo(オレゴン)、Marda Permaculture Center(パレスチナ)、Solheimer (アイルランド)、Sasaridi(コロンビア)、Twin Oaks(Virginia)、Mollison Center(ブラジル)、Sarvodaya(スリランカ)など。これらはGENのサイトに掲載されている。

3/ルイス・アーキン「エコロジカルな生活をしたい人がやみくもに集まっても、うまく行かない。まず、四つの成功への法則を意識する事。つまりビジョンを持つ、柔軟な計画性を持つ、地に足をつける、それから忍耐、忍耐、忍耐!」「いろいろな問題や衝突がおこるのは必須。それを避けるためのアドバイスとして:コミュニティのビジョンと目的を明確化、メンバーになる人の基準や特典をはっきりとしておく、合意基準は文書にのこす、いさかいがおこったらその解決を優先順位とする、公正な参加型の意志決定プロセスを選び、そのためのトレーニングを受ける、コミュニケーションのスキルを学習する」

4/岩村和夫さん「EVとは、太陽、水、風邪、資源、生き物、地域社会、自然と暮らす。安心して暮らすということだが、EVで目指すものは何かの定義がまちまち。それが何を意味しているのかをしっかり議論しなくてはならない。まずは言葉で整理し合意し、それをデザインしていく」「EVデザインの際には、場所性、土地柄を理解すること(地魂ーちれいと言う)、つまりそこの現場をあからさまにしていく作業が大事。その場の気候(雨が降った時の水の流れ方、生えている草花、風など)、風土(そこに住んでいる人たちのライフスタイルなど)、歴史、建築物を作った後の影響などを徹底的に調査。場合によってはグループインタビューを行なう。それがないと、どんな建物をデザインしていくかが決まっていかない。そして、敷地の資源を活かす(場所の記憶をとどめる)」「その場所の一年間を通じての気候、気温、花、動物、昆虫、祭などを書いたカレンダーを作成すると良い。これを重ね歴(フェノロジーガイド)と呼ぶ。」

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余談ですが、毎回BeGood Cafeが始まる前はいつもスタッフ全員が集って輪になり、歌を歌ってから一人一人が握手をする、という儀式を行います。今日も良いイベントを開催でき、みんなで楽しめるように意識を一つにする、という素晴らしい習慣です。BeGood Cafe、制作の金城理恵さんも妊娠8ヶ月で、妊婦さんも大活躍のBeGood Cafe。世界初のエコビレッジ国際会議の開催と成功、おめでとうございます&お疲れさまでした!