私のお金の流れ着く先

みなさんは普段、どこの銀行を利用していますか?私の場合、いくつかの銀行に口座を開設していますが、メインの銀行として利用しているのは、みずほ銀行です。なぜ、みずほかという特別な理由があるわけではなく、以前住んでいた家の近所に支店があったのでたまたま、という程度です。しかし、みずほ銀行などの一般の大手都市銀行にお金を預けた場合、私のお金は知らず知らずのうちに、サラ金に貸し付けされたり、めぐりめぐってイラク戦争の資金にまわってしまったりするのです。

日銀の統計によると、銀行に預けられた1129兆円(2005年末)のうち、783兆円が個人家計によるもの(つまり私の預金もこの極ごく一部)ですが、そのうち貸出に648兆円(これはサラ金会社に行ったり、石油会社に投資されたり..)、国債に251兆円、外債に86兆円(ほとんどが米国債。日本の国家予算は81兆円なので、それより多い額がアメリカに流れ、イラク戦争などに使われる。ちなみにアメリカの国防費は51兆円)へと投資されます。

つまり、現状のシステムでは本当に必要なところに必ずしもお金がまわりません。そんなことを知りつつも、惰性でみずほ銀行を使ってしまってきたわけですが、そろそろ本気でお金の預け先を考えないと…と最近思います。

日本ではまだまだ一般的とは言えないですが、金融のスキームを使ってお金の流れを是正しようという動きは出て来ています。京都メカニズム(排出権取引)もそうですし、社会的責任投資(SRI)、環境配慮有志(エコファンドなど)、コミュニティ・インベストメント(持続可能な地域作りに融資を行なう銀行)や、自然エネルギー、省エネルギーなど環境に関するさまざまなプロジェクトに融資をする銀行も出てきました。貧困層だけに融資をするマイクロクレジット銀行も最近注目を集めています。日本では、1999年日興エコファンドが出て来て以降、急速に責任ある投資の市場が発展。現在合計で2500億円という額は、アメリカの23兆円に比べるとまだまだ発展途上ですが、今後の進化や成長に期待が集まっています。

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さて今日は、個人のお金の投資先を変えることで社会のシステムを変えていくことを目指している株式会社サステイナブル・インベスター主催のセミナーに参加してきました。取締役の瀧澤信さん(写真)のお話、とても分かりやすく情熱にあふれていました。

瀧澤さんたちの会社が売り出しているのは、「森林ファンド」という商品です。一口10万円から購入することができ、日本の荒廃した森林の手入れをするためにお金を回し、木を蘇らせ健康かつ良質の森林を育て、さらに木材として売却して利益を出し、顧客に利息収入をバックしようというスキーム。元本割れをするリスクの可能性もありますが、多い場合には成功報酬21%が2020年までに支払われる、という金融商品としても悪くないもの。

森林に目をつけたのは、私達にとってなくてはならない存在なのにも関わらず、森林は今ものすごいスピードで失われているから。人が一人呼吸するだけで15本、文明的生活を送るのに376本の木々が必要だそうですが、人口は増加傾向にある一方で、森林や農地は着実に減少して、生態系メカニズムはバランスを失っています。森林ファンドは、個人のお金をかき集めてなんとか良い方向に転換していこう、という新しいビジネスなわけです。

瀧澤さんによると、「今、何を達成すべきか?」というと、「<経済面では>自然サイクルに沿った経済の確立」「<環境面では>森林、農水業、水資源の回復」。「どのように達成すべきか?」というと、「資金循環(資金の流れ)を変える。これにより、達成すべき/改善すべき分野に資金が流れ、大きな改革/革新が実現できる。」という明確な論理。私達のお金だから、意識を持って投資先だって私達が決めたい。銀行預金だけではなく、私達が意識を持ってお金の預け先、投資先を変えることが大きなムーブメントになることによって、世界の環境問題も解決できる。日本では選択肢がまだあまりないのが事実ですが、森林ファンドのような投資商品にも、これから注目してみたいと思いました。

森林ファンドの説明会、来週もまたありますので、お時間がある方は是非!投資なんてあまり馴染みのないものでしたが、とても勉強になりましたし、おすすめです。詳しくは、サステナブル・インベスターのサイトでどうぞ。