ベルリンで感じたグリーン・ファッションの息吹

ベルリン滞在中に街の至るところで盛り上がっていた、ベルリン・ファッション・ウィーク。その中でも目をひいたのは、地球や製作者に配慮した服作りをしているデザイナーを集めた展示会やワークショップ。“thekey.to”と名付けられたそのイベントは、7月1日〜4日まで、ベルリン市内の大きなビルを貸し切って開催されていた。もちろんチェックしに行ってきました!というわけで、日本初?!ベルリン発の新たなグリーンファッション・イベントに関するリポートです!(写真は、Grass RoutesのFransなど、thekey.toの仕掛人の三人組。)


展示会の会場内はこんな感じ。さほど人は多くないけれど、ヨーロッパ中のバイアーさんが熱心に交渉しに来ていました。オーガナイザーの一人、ジェレオン曰く、

“global trendsetters today want style with background and a committed attitude. This is exactly what is offered by thekey.to. We are presenting progressive and innovative designs, green avant-garde, which are set to bring about a fashion and lifestyle revolution for the future.”「今やファッション業界が求めているのは、スタイルのみならず、隠されているメッセージや一貫したアティチュード。それこそがまさに、このイベントで打ち出しているもの。ここで僕たちが紹介してるものは、大胆で革新的なデザインであり、グリーンで型にはまらない思想であり、将来的にファッションやライフスタイルに変革をもたらそうとしているものばかりなんだ。」

thekey.toで展示をしていたのは、50ブランドほど。ヨーロッパ各地からこのショーのためにわざわざやってきたデザイナーも多く、その意気込みを感じるとともに、ヨーロッパのインディペンデントなデザイナーの層の厚さに驚かされます。


その中からいくつかご紹介すると、左上はオランダからやってきたVan Markoviec(ヴァン・マルコヴィック)。「グリーンな哲学と贅沢な衣服のシナジーを探る」という理念を掲げて製作している一点一点が、かっこいい!ウェブサイトも見て下さい、クオリティーの高さが伺えます。ポーランド人のマネージング・ディレクター、Zuziaが熱心に対応してくれました。右上は、デンマークの靴メーカー、Krambamboline(クランバンボライン)のLiV。生地にはベジタブルスキンなどのエコ素材のみ使用し、箱はリユース品など徹底的なこだわり。製作は全てポルトガルで、デザインも可愛いし、履きやすそうな靴でした。なかなかエコな靴って日本ではまだ変えないので、ヨーロッパではこういうブランドが出てきているのが羨ましいです。


フランスのマルセイユから来ていたのはGuediawaye (ギディアウェイ)のYvonne。全て製作はセネガルのコミュニティーでしているということで、「なんでセネガルでやってるの?」と聞くと、「ファッションの世界にいた訳じゃないんだけど、たまたま旅していて、そうなっちゃったの!今3年目だけど、店舗も増やして順調よ」との答え。アフリカンな柄を見事に現代風にアレンジしています。


日本の着物の良質な記事に着目し、着心地の良い普段着に仕上げていたのはオーストリアのAlila(アリラ)。今年9月末には、ウィーン・ファッションウィークでもグリーンなブースが企画されていて、出店予定だそうです。


バルセロナからベルリンに移り住んできたばかりのイザベルは、ポーランドがルーツ。故郷の手仕事を復興させたいと、伝統的な刺繍をあしらったカジュアル着を展開。


Pants for Poverty(パンツ・フォー・ポバティー)はイギリスから来た集団。「世界には何百万人もの貧困に苦しむ人たちがいる。今こそ、彼らを解放する時であり、君たちがそのジェネレーションだ」というネルソン・マンデラのスピーチを聴いて感化されてはじめたこのプロジェクト。話題性も手伝って、急成長中です。

…とまぁ、どのブランドにも素敵なストーリーが隠されていて知れば知るほど感心して、そのブランドのファンになってしまいます。そして、みんな本当に自由に楽しく真剣に責任を持ちながらクリエイトしている感じが、ひしひしと伝わってきます。もちろんデザイン性や機能性も申し分なし。値段もたいして高くない。最近、日本ではファスト・ファッションのニュースが花盛りだったけれど、スローなファッションも負けてないし(少なくともヨーロッパではね)、未来のファッションには明るい光が指している!と思わずにはいられないインスピレーション一杯の展示会でした。


会場内で使われていた椅子や机などの家具類、それからオフィシャルのブックレットの入れ物などは、全て段ボールを再利用して作られたもの。環境への配慮+デザイン+遊び心が見事に融合していて、ニクいです。


最終日には、ファッション・スワップ&リメイクイベントもあったのです!残念ながら参加できなかったのだけど、聞くところによると、ファッション・スワップはイギリスやアムステルダムなど、ヨーロッパ各地の都市でも相当、盛り上がっているらしい。xChangeも、この間「これはムーブメントではなくて、カルチャーですよ!」と言った人がいて、なるほどと思いました。なるべく農薬を使わず旬の地野菜を食べる、という行為が一過性の流行ではなくて人々の生活様式になっているように、服を入手する際に交換したりコンシャスなものを選んだりという行為が、当たり前の文化になる日ももしかしてすぐそこに来ているのかもしれないと、ベルリンのグリーンファッションの風を感じながら思いました。そう。言い忘れたけれど、ベルリンでthekey.toのようなイベントが大々的に行なわれるのは、初めてなんです。グリーン・ファッションの世界的な勢いを感じます。



会場には、10月にパリで開催されるEthical Fashion Show(EFS)のブースもありました。EFSは、ヨーロッパのグリーン・ファッション関連イベントでは最大級のもの。thekey.toの会場内でも「じゃぁ次はパリで会いましょう!」が合い言葉でした。私も是非、取材で行きたいので、この手の記事や映像にご興味のある方は、ご一報を〜〜〜。