瞑想しながら生きる/Life is meditation

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最初は、きつかった。 お寺といえど、久しぶりの大都会での滞在。 もしかして10年ぶりとか?

敷地内はゆったりとして緑も多いけれど 一歩、外に出ればコンビニやらマーケットやら。 すぐにごちゃごちゃとした雑音が入って来る。 この辺は、乾季になると雨が一滴も降らずに 照りつける太陽の陽射しも、残酷。5分と外に出ていられない。

私の理解では、仏教イコール「すべての命とのつながり」 すごく簡単に言うと、そういうことを実感するために 瞑想しにきたのに、これじゃぁ集中力も続かない。

それに風邪をひいてしまった。 体調管理もしていたはずなのに、なぜだろう? お寺に滞在するなんて貴重な機会でいろいろ学びたいのに、 体がついていかない、、、

もどかしくて、食事も宿泊もただで提供してくれているので、 お寺の仕事を手伝わなくちゃ、というちょっとした義務感もあるし なんだか申し訳ない気持ちもする。

そんな私にクリスチャンは、こう話してくれた。

「ここでの修行は、まず病気というものを受け入れることだね。 体の状態にしっかり目を向けて、好きなだけ休む。 『休んでるだけで、申し訳ない』といった社会への気づかいや 『どんな風に見られてるだろう』といった外的な評価から、 自分を解放することが、まず第一歩だね」

なるほど。なんだかそう言われると、急に楽になって 二日ほどゆっくり休養させてもらった。

元気になってきたのに、それでも森の家が恋しいし タイ人のお坊さんの英語も分かりにくいとか いろいろ愚痴が出てきてしまい、 「こんなところに根をはるって、よく決めたね〜」と クリスチャンに聞いてしまった。

「こんなところだからこそ、決めたんだよ。 環境の良いところで、気分良く過ごせるのは当然だからね。 ここで瞑想できたら、どこでも出来る。 こういう場所だからこそ、瞑想センターも必要だしね。

それに『自然が足りないから』『どこかほかのところに行きたい』 こういう考え方は、人生を外的要因のせいにしたり、 もっともっと、と何かを求める欲でしかない。

今いる場所を受け入れ、感謝し、精一杯、生きる方法を僕はとるよ。 より意識的に、真理を追究する生き方は、どこにいたって出来るもんだよ」

私はとても大切なことを忘れていた気がする。 そんな会話をしてからは、心のあり方を変えて、 もっと楽に過ごせるようになった。

お寺では、毎日、朝と晩と瞑想した。

呼吸に意識を向けて、やわらかく目を閉じ、静かに座って集中力を高める瞑想 右、左、右、左とゆっくり歩き、「歩いている」ということを意識する瞑想 長時間、足の裏に意識を集中させ、ひたすらずっと立ち続ける瞑想など

瞑想の世界は思ったより、ずーとずーと深くて わたしはまだ入口に立ったところだけれど、 私にとって瞑想は

「しばし止まり、今この瞬間に心の目を向けること」 STOP FOR A MOMENT, and BE MINDFUL

というスイッチを入れてくれ、よりよい人生に導いてくれる ますます大切なものになってきている。

歩いたり、立ったり、普段の慣れすぎて何も考えないで行なっている動作の 一つ一つに目を向ける瞑想(いわゆるヴィッパサーナ瞑想)では 身体や感情に沸き上がってきる事象 (足が今、動いてるな。疲れたな。なんでこんな事してるんだろ?など)を 一切、ジャッジせずに、そのまま受け入れて、見つめる。 そしてそれが刻一刻と変化して行くことも、受け止める。 (この世に変わらないものなんて、ないんだ 一つの物事に執着しても、意味がない)

すると、ふと「今ここ」を自分がどう意識して過ごすかによって 世界の全てが決まるんだ、と気づく瞬間がふっとやってくる。

当たり前だけれど、全ては自分次第。 もう誰のせいにも出来ないし、 過去にすがったり、未来に不安や期待を抱いて あれやこれや考えてもしょうがない。

そんな諦めとも言える、人生への自覚が芽生えると 欲や怒りや幻想から解放され 静かな自信、クリアな意思、冷静な態度がそなわり 自分の人生を、よりコンシャス(意識的)に よりマインドフル(今ここを大切)に生きて行こうと思えるんだ。

たーくさんの情報や可能性や 人間関係や刺激物などなどがあふれている時代。

「やらなくちゃリスト」や「Facebook」など外の世界は一旦、置いておいて、 とにかく自分自身の内面に集中すること。 一日5分でもいいからその時間を持つだけで、 ほかならない自分自身への人生の態度がより豊かになる。

高層が、こんな風に言っていた。

Life is Meditation Meditation is Life

人生とは瞑想であり 瞑想こそが、生きること

Mindful Farmでも"Keep on Meditating"と言われたことを思い出した サティシュ・クマールも瞑想をすすめてくれた

お寺を離れても、毎日、少しの時間でもいいから瞑想しよう いや、できれば一日中、一瞬一瞬を瞑想している時のように、 より大切に集中してマインドフルに生きて行きたいと思う

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【瞑想のしかた】------------------------------------

ゆったり座って、背筋を伸ばします 頭の先っぽが空からピンとひっぱられるイメージで 背筋はまっすぐ、肩はきもち後ろにまわして ストンと力を抜きます

目はやさしくとじて 手もリラックスさせ、膝の上に置きます

呼吸に意識を向けて行きます 最初に息を吐き出してから

吸って、はいて 吸うときは、丹田のあたりがふわっとふくらみ大きくなって はくときは、丹田のあたりがへこみ おなかとせなかがくっつきます

鼻からゆっくり吸って 風船のように大きく体がふくらむイメージで ゆっくり鼻からすべてを出しきります

吸うことで、新鮮な酸素が体中に満たされていき はくことで、体の中の悪いものもぜーんぶ一緒に吐き出します

吸って、はいて 吸って、はいて

ゆっくり呼吸を繰り返していきます

吸うときは、鼻先にすこし冷たい空気を感じ 息は体の前面を通ります 鼻の穴→のど→気管支→肺→おなか 吐くときは、逆側 おなか→肺→のど→鼻と体の後ろ側を上っていって 鼻先はすこしあたたかい空気を感じます

吸って、はいて 体の中をゆっくりと循環している気だけに目を向けます

やらなくちゃいけないこと さて何を食べよう?あの人にもメールしなきゃ そんな雑念、頭のぐるぐるは静めて ただただ呼吸に集中します

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ゆったりとした呼吸を続けたままで 体の全体に意識を向けて行きましょう

足の指先 ふくらはぎ ひざ 太もも お尻 腰のあたり 背中 首 頭ぜんたいへと目を向けます

深い呼吸とともに 新鮮な空気が体中を巡り 滞った気が外に出ます

吐く息とともに 体全体がどんどん穏やかに軽くなってくるのを観察します

*****

次に足の裏と大地がつながっている部分を感じます

わたしたちはこの大地に立ち ここから食べ物を得て 着るもの、家を建てるもの、全てを受け取っています 大地は惜しみなく何の見返りもなく ただただわたしたちに与え続けてくれています

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自分のまわりの環境に目を向けます さまざまな人 さまざまな動物たち さまざまな植物たち

それぞれが同じように息をして 一つの大きな輪の中にいます わたしたちはみな一つの大きな呼吸で つながっています

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その大きな気の循環を感じながら しばらくリラックスして呼吸を続けましょう

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