Thomas Hardyの故郷を訪ねて

travel - 旅 Sep 21, 2004

hardy03.jpgThomas Hardy (トーマス・ハーディー)は1840年〜1928年まで生きたイギリスを代表する作家で、日本でも上映された映画「テス」の原作など、階級制度に苦しめられた人々の悲惨な人生や都市化で変貌していく田舎での生活などを描いた小説で有名です。

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Hardyが生まれ育ち、生涯を終えたイギリス南西部の街、”Dorset County(ドーセット・カウンティ)”の”Dochester(ドーチェスター)”には、Hardyの書いた日記や手紙、当時の写真などが展示されていたり、彼の書斎が再現されている”Dorset County Museum”があり、Hardyの作品についての理解が深まります。このミュージアムの展示のテキストを引用すると:

“Thomas Hardy is one of the finest writers on rural life and landscape in the English Language. He was born and grew up in Dorset, at a time when industrialisation and migration were changing the countryside forever. His novels and poems reflect this changing rural experience.”

hardy04.jpg産業革命の影響で故郷から中心地ロンドンへ次々と人が流れてゆき、美しい田舎の風景や文化や尊厳が失われて行くさまを、Hardyは嘆き悲しんでいたのでしょう。実際、Hardyの作品「緑樹の陰で」の解説にも以下のような引用があります。

「牧歌的なウェセックス地方も急激に変貌しつつあった。ロンドンからここまで鉄道が敷かれたのが1847年、彼7歳のときである。このことで、『何世紀もの口伝えによる小唄は、ロンドンから流れ込んだざれ歌によってたちまちに滅ぼされてしまった』という彼の無念の言葉が伝記に記されている。」

 

hardy05.jpg科学的・物質的進歩への信仰の時代に失われてゆく自然や伝統を守らねば、という思いをHardyは小説という形で表現したのです、「共同体のつながりの復活」「土地に根付いた生き方の重要性」などの彼のメッセージは、彼が亡くなって80年ほどたった今でも、私たちが考えなくてはならない重要なテーマとして迫って来ているような気がします。(写真は彼が住んでいたDorchester郊外の家)

Dorset County Museum
Dorset County Info
Dorchester Info

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