セックスも人生も、明け渡すことで、もっと気持ちよく本質に近づく

毎週水曜日に開催されている、セックスやパートナーシップのことをタブーなく語るオンラインサロン、LOVE LIFE SALONでテーマに上がり、すごく盛り上がったテーマ、「明け渡す」。サロンを一緒に運営している、佐藤直子さん（なおちゃん）が挙げてくれました。とても大切なトピックスだと思ったので、ブログやPodcast、Youtubeのビデオにも残しておきます。

明け渡すは、英語で言うと、surrender（サレンダー）。またはlet go。日本語だと、委ねる、預ける、そのままの流れに任す、解放する。そんなニュアンスです。なんとなく分かりますよね？

なおちゃんが用意してくれたメモを、（一部読みやすく編集した上で）そっくり載せるとこんな感じ：

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 と言うわけで、ここからは、みなさんと話しをしてみての kokoの考察です。

「え、みんな明け渡せてないの？」と言う、驚き！

なおちゃんがこのテーマをくれた時は、「みんなで話し合ったら、面白そうな切り口だよねぇ」ぐらいにしか思ってなかったんです。でもいざみんなで話し始めたら、相当盛り上がり、そして意外にもみんな「明け渡せていない」ことが判明。一方、私は「当然、明け渡さないと、セックスは成立しないでしょ？」ぐらいに思っていたので。

多くの人が「明け渡せてないなぁ」「そう言う経験はない」と言い切っていたこと、その上で「明け渡したい！」「そう言う経験をしてみたい」と意欲を持っていたのは、驚きでした。

でも考えてみれば、分からないでもない。と言うか、私も明け渡せる前までは、明け渡せていなかった（笑）。「こんな風に思われたら、どうしよう」「この体の部分が自信ないんだけど、見られたらどうしよう」「こう言う風に振る舞った方が、セクシーだし、気に入られるかしら」「相手に申し訳ないから（あるいは早く終わって欲しいから）フリをしよう」などなど。そんな風に、何かを意図的に守ろうとしたり、隠そうとしたり、頭で考えていたことも多かったなぁ、と。

セックスに限らず、真っ裸になる難しさ

じゃあ、どうして明け渡せないのか。まず挙げられるのが、自信がないこと。脆弱な自分を見せなくちゃならないのって、怖いですよね。信用して委ねたとしても、裏切られたり嫌われたりする可能性もあるし、そうすると傷つくから怖い。素の自分を見せて嫌われたり、ひかれたりしたらどうしようと、他人からの評価を気にすることは、セックスに限らず、人間という社会性の生き物には至極当然のようにも思います。その他にも、、、

男性の難しさ

LOVE LIFE SALONでは前立腺のマッサージの話がよく出るんですが、これこそ、男性がtight ass（お尻に力が入っている。お金の使い方がケチケチしていたり、慎重すぎる人のこと）だと、できないよね、と言う話が、今回も出ました。

こんな風に見せたいと格好つけてみたり、力が入りすぎていたり、こんなことはしてはダメだと無理に押し殺したり、こうあらねばならない、というパフォーマンス主義から抜け出せなかったり。そんな心持ちだと、明け渡すことなんて、できないですよね。男性の場合、何かしらの「ゴール設定」がある場合が多く、そうすると真っ裸になれない。

明け渡すためにかかる時間をかけられない、どうしても急いでしまう、忙しすぎる、マインドフルになれないという声も聴かれました。

女性の難しさ

女性の場合は、セックスに対してのやましさや罪悪感があったり、「女性は快感を感じてはいけない」と言うような思い込み、刷り込みも明け渡すことを邪魔していますよね。

「母親として、ちゃんとやらなきゃ」「女性として、許されるのはここまでだろう」などなど。自分で自分にリミットをかけてしまって、常識枠に押さえ込もうとしてしまう。

明け渡すために、大切なこと

じゃぁ、明け渡すために大切なことって？まずとても大切なのは、絶対的な自分への信頼じゃないでしょうか。自分って素晴らしい！自分をそのまんま相手に差し出すこと、世界に差し出すことが、最大のギフト！と言っている方がいて、なるほどなぁ、素敵だなぁ、と思いました。

それから、代々木監督も言っているように、役割から解放されること、鎧を脱ぎ捨てること。

そして、少しずつでも自分が安心と思える場所や人との交わり合いの中で、自分を守りながらも勇気を持って自信を奮い立たせて、その場を信じ、命を信じて、自己開示してみる。それは何もセックスに限ったことでなく、どんなコミュニケーションにおいてもですよね。信頼関係がそこに築けているか、ということ。

それからもう一つは、「気持ちいいことは、いいことだ」と自信を持つことも、明け渡すことには大切だと思います。性欲は人間のエネルギーの大切なものの一つだし、それを感じるのは、当然。実際に、「罪悪感がなくなったときに、解放された」と言っている人もいました。

自分への自信、役割からの解放、相手との信頼関係、性欲の全肯定。明け渡すのには、勇気がいるし、覚悟もいる。でもそういうことが備わると、自然と明け渡せて、人生もセックスも、もっと気持ちよく本質に近づくよなぁと思うのです。やっぱり、頭ではなくて、心で、体で感じ切っていくことが大切ですよね。

明け渡すとは、命に帰ること

そう考えると、セックスのことを話している時って、人生のことを話している時と、すごく共通することがあるなぁと思います。セックスは人間同士の交流の中でも一番インティメート（親密）な行為。生き方を象徴する行為でもあるのかもしれない。

ある方が、仏教の帰依（きえ）こそが明け渡すことだ、とおっしゃっていたのが印象的でした。帰依とは「すぐれたものを頼みとして、その力にすがること」。ナム（南無＝サンスクリット語だと、ナモとかナマハ）も、そうです。明け渡すって、大いなるエネルギーを信じてコントロールを手放し、自分の中のエゴを悠々と超えて、全てを差し出すこと。そうすることで、「幸せを感じる」という境地ではなく、「幸せそのものになる」、そんな感覚さえ味わっていくようになるのです。

セックスも人生も、こうしようという力を抜いて、ただただ明け渡してみよう！とさらに思えたLOVE LIFE SALONでした。なおちゃん、秀逸なトピックス出してくれて、考える機会を与えてくれて、ありがとう！