秋の鎌倉と禅宗ことはじめ



キンモクセイの香りが漂う季節。今までは暑くエネルギーあふれる夏しか興味がなかったのに、ここ最近、空高く清々しい10月が待ち遠しくて仕方ない。今年は庭の柿が豊作。10月はいつになく忙しい月になりそうだけど、ふっとした時間が出来たので、柿ケーキを作ってました。美味〜!



さて鎌倉の海岸沿いは、先日の台風で大被害。漁師小屋は壊滅だ。近所の人たちがビーチクリーンなど手伝って、少しずつだけど復旧作業が進む。家の前の山の崖崩れも心配したけれど、何事もなくて良かった。鎌倉のような海や山の近いところに住んでいると、自然の威力を思い知るよ、本当に。美しいとか、癒されるとか、守らなくちゃ、と言う以前に、圧倒的な存在感の自然。ただそこにあり、全てのものを巻き込み、飲み込んでゆく。人間なんてほんとちっぽけな存在だと、台風の夜、荒れ狂う風の音を聞きながら、痛感しました。


そして台風一過で快晴!早速、家族で海にダイブ!この季節の海は、水は透き通っているし、混んでないし、水温もまだ低くなく快適に楽しめる(太陽が出てるうちはね)。海につかれば、一瞬のうちに浄化スイッチオン!体と自然と一体化して、心の中にある全ての対立が溶けて行く。




海で泳いだ後は、北鎌倉の建長寺へ。紅葉がうっすら始まりかけた境内には、涙が出るほど優しい顔の地蔵菩薩像や千手観音菩薩が祀られている。最近、なぜか禅にたいしての興味がわき始め、そうしたら建長寺で来年開催される「菜食シンポジウム」というイベントで建長寺総長のトークのお相手役を務めさせて頂く事になったりして、自然と建長寺へと足が向いた。

建長寺(正式名称:巨福山-こふくさん-建長興国禅寺)は、約760年前に建てられた、日本で最初の禅寺。鎌倉五山(鎌倉時代に中国の五山制度にならって鎌倉の禅寺に設けられた五大官寺)の第一位とされていて、一時は千人を超える修行僧を指導していたところ。建長寺発祥の料理、「けんちん汁」も有名。

私が禅に関心を持ったのは、環境問題と向き合うにあたって、「無私」とか「全ての命は平等」と言った仏教の考え方、そして「自分の内面と向き合い、欲を観察し、心で生きる」という禅の考え方に魅かれたから。禅とは何か?とすぐ解釈してしまいたくなるのだけれど、その無意味さは次の通り:wikiより引用。

禅宗においては、そもそも禅宗とはなにかといったメタな問いかけを嫌う傾向にある。そのような疑問の答えは、坐禅修行によって得た悟りを通して各々が自覚する事が最上であるとされ、もし人からこういうものだと教わりうる性質のものであるならば、それは既に意識が自身の内奥ではなく外へ向かっているため、内面の本性に立ち返るという禅宗の本意に反するとされるからである。もう一つの理由として、概念の固定化や分別を、わがままな解釈に基づく「とらわれ」「妄想」であるとして避けるためであり、坐禅修行によってとらわれを離れた自由な境地に達してのちに、そこから改めて分別することをとらわれなき分別として奨励するからである。

沢庵和尚がたとえて言うには、「水のことを説明しても実際には濡れないし、火をうまく説明しても実際には熱くならない。本当の水、本物の火に直に触ってみなければはっきりと悟ることができないのと同様。食べ物を説明しても空腹がなおらないのと同様」で、実際に自身の内なる仏に覚醒する体験の重要性を説明し、その体験は言葉や文字を理解することでは得られない次元にあると説き、その次元には坐禅によって禅定の境地を高めていくことで到達できるとする。

体験しなくては分からないということですね。建長寺では、毎週金・土曜日に坐禅会を開いているので、行ってみよう。こちらのサイトの解説も分かりやすい。とにかく、世界的に注目される”Zen Buddhism”にふれる機会がこんなに近くにあるなんて、鎌倉は本物のスピリチャリティーを体感できる世界有数の「聖域」だ。ここに住んでいる間に、しっかり見つめておきたいものがもう一つ増えた。

<おまけ>

先週末までのエコイベント/ラジオナビゲーターのお仕事では、連日、多彩なゲストとトークさせて頂きました。とてもインスパイアされ勉強になったので、メモ書きです:

竹村真一さん(文化人類学者)….大学生の時、衝撃を受けたプロジェクトセンソリウムを作ったご本人と会えて感動!トークの日は雨だったので、こんなお話から始めて下さいました。「日本で降る10粒の雨のうち、1粒はインド海から運ばれたもの。そう考えるだけで、雨からでも世界とつながることが出来る」イマジネーション、そして世界とつながることを常に活動のコアにしている竹村さんらしい視点。「技術でつながることは大事だと思うが、日本のような先進国ではコンピュータに向かい、隣にいる人との会話が希薄になる危険性があるのでは?」と意地悪な質問に対しては「それは技術がまだソーシャル・ウェアの域に達していないから。」という強気な発言。「トランジションタウンなど地域活動が盛んですが?」という投げかけに対しては、「地産地消は大事だと思う。ただ水にも見るように行政区だけで物事を考えてはいけない」とグローバルな視点を常にお持ちの竹村さん。最近、地域活動にはまってる私としてはハッとしました。最後は、「地球には様々な問題があるけれど、生命があるだけで奇跡に近い。”Planet of Hope” (希望の惑星)です」と常にポジティブ。

安斎はじめさん….打ち合わせ段階はつかみ所がなかったのだけど、いざ話し始めてみたら、さすがでした。ゴミ、トイレ、エネルギー、食と話は尽きず、「こう言われたからするではなく、一人一人が発明家。自分が好きなこと、自分が生息している領域で、出来ることを考えてみるのが大切」と。さすが活躍しているマルチなクリエーター。「自分の視点(私点)」を持っていらっしゃる。

いとうせいこうさん….園芸に話は尽きず!スーパー園芸(スーパーの見切り品の野菜の水耕栽培から始める園芸)を通り越し、コンビニ園芸(ポップコーンを発芽!)の進めなど、いとうワールドを展開。しゃべりっぱなしでした。園芸なんて枯らしてなんぼ。失敗を恐れずに始めて見よう。「自然」と言うと、遠い世界のことになっちゃうけど、「植物」って身近。自分でやらなくたっていい。駅までの道に、気になる木が一本あれば、それで園芸をやってることと同じ。植物は常にアナーキックに生きている、といとうさんならではの展開….

CWニコルさん….「日本の海岸線は、アメリカより長い。北は氷河から、南は珊瑚礁まで観察できる国なんて、他にない。生物がとても豊か。みなさん、もっと誇りをもって、どんどん世界に発信して下さい。」

岡村貴子さん….オーガニックな生活をすすめる第一人者。岡村さんとお話させて頂く前に、「オーガニックって何だろう?」と随分考えた。私にとってオーガニックとは、本物志向とか、ピュアとか、本質とか、本来の自然に即したという広い意味がある。クレヨンハウスの落合恵子さんが言っている「オーガニックな団らん」っていう言葉が好きで、それは豊かな食事、豊かな音楽、豊かな玩具、豊かな会話、豊かな時間…そういうものがある生活が「オーガニック」ということ。オーガニックって、食品では農薬や化学肥料を使わないで栽培された有機農作物のことだけれど、もっと広い意味がある。日本では、有機/オーガニックをPRする時に、安心や安全の面しか強調されないけれど、もっと幸せとか贅沢とかっていう側面もPRされても良い。落合さんは「誰かの幸せのために、誰かが犠牲にならないこと。それがオーガニックの基本」とも、言っている。オーガニックのもう一つの魅力は「生産者と消費者」「消費者と世界」と色々なつながりが見えてくる事。環境や健康のことを度外視して、より安くと大量生産に励んでしまったために、忘れてしまった、見えにくくなってしまったつながり。どこの誰が、どうやって作って行けるかが見える社会が大事。私たちの生活は見える関係でつながっている必要があるし、そのつながりがある所に安心や豊かさがある。

小口広太さん….有機農業研究家。長野県の実家で、有機農業の実践をする傍ら、大学院の博士課程で勉強中。若干28歳!これからの日本の農業を支える方、間違いなしです。そしたらこちらのブログに書いてくださってるではないか!嬉しいー。有機JASマークとかが貼ってあるからいいではなく(マークがついているもののわずか10%が国産)、有機って何か?一番良い選択肢は何か?と、自分で考えるマインドが大事。有機農家は、気候変動でものすごく影響を受けてるそうです。


それから東京砂漠で見かけたTシャツの言葉。どんなにからだにいい食事や生活を心掛けていても、心のゆとりがなかったり、楽しむことを忘れていては無意味なものになってしまう。どこにいても、何をしていても、良い事も悪い事もおこる。人だってモノだって、長所(プラス)と短所(マイナス)がある。そんな中で、何を感じ取り、何を大切にするかが、その人の生き方や個性となるんだ。


それからそれから最近、ママお気に入りの絵本「そらのいろ みずいろ」。下田昌克さん作。力強い絵と、シンプルな言葉が良いですが、テラはあまり反応しない。

祝島のこととか、HIKESHIのこととか、まだまだ書きたい事いっぱいあるのだけど、またにします。プロフィールも久々に更新したので、見てください。

あ!それからNPOかまわのウェブサイトが少しずつですが、出来てきました。これから充実させて行きます。そう9月後半に我が家で開催した、「政治しゃべり場」がとても面白かった。鎌倉の政治も盛り上がって来ています。市民自治の時代だ〜〜〜!新年に「今年は政治に対して覚醒する年だ」と書いたけれど、本当にそうなってきているね!

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