サティシュの教え1:小さいことは美しい


サティシュ・クマールが2年ぶりに来日され、14日土曜日に、鎌倉と葉山でサティシュを囲んでのギャザリングを開催した。鎌倉は個人宅での小さな昼食会、葉山は100名以上の参加者をお招きしての比較的大きな会。鎌倉・葉山・逗子界隈に住む心ある仲間たちが協力し合って、誰の心にも深く響き続けるような集いが開催できたと思う。久しぶりに映像撮影をしたので、会の報告は後日、編集したビデオで行ないたいと思う。

二日間、サティシュは我が家にステイされていた。金曜日に新横浜でピックアップしてから日曜日に鎌倉駅に送り届けるまで、うちのコタツで様々なことを話し合い、テラと遊び、ご飯を一緒に食べ、布団を敷いて寝て、鎌倉の街を歩き、めくるめく時間をともに過ごした。サティシュは、終始変わることのない絶大なポジティブエネルギーで、一瞬一瞬を生きていた。今でもあの時のことを思い出すと、私の小さな心は際限なく広がり、眼差しはふっと優しくなる。あの時、宇宙から地球を見ている人がいたら、鎌倉の小さな我が家から発せられた輝かしい光を目撃したんじゃないかな、と思うほど。

サティシュ(Satish)とは、True&makeという意味があるそうだ。真実を作る人、真実を生きる人。「名は体をあらわす」と言う通り、彼は「本当のこと」しか語らないし、全ての行動が真実に裏付けられていると感じた。言葉と生き方に矛盾がないからこそ説得力があり、多くの人を魅了し続けているに違いない。サティシュは決して誰も知らないことではなくて誰しもの心の中にあること、誰しもが気づいていることを言っているだけなのだけど、そうその通り!と深くうなづいてしまうのは、彼の言葉が直球どまんなかの普遍的な真実しか語らないから。凡人だと「そうは言ってもねぇ」とか「理想は分かるけど」とすぐに言い訳をしてしまいがちだけど、彼はそんなことは悠々と超越して、愛くるしい笑顔と力強い言葉で、これからの未来に大切な言葉と行動の哲学を惜しみなく与えてくれる。全ての生命と心が通い合う暮らしをするべく、雑念や義務的行動を取り払って、こころを浄化してくれる。ブログでは数回に分けて、サティシュが話してくれた教えを書き留めておこうと思います。

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私が今回、一番心に残ったのは
やっぱり「小さいことは美しい:Small is Beautiful」という考え方

これはドイツ人の経済学者、シューマッハ(1911〜1977)が言った事で
この本は必読です
サティシュは、シューマッハと生前に交流があって
「シューマッハ・カレッジ」という彼の名前の学校まで開いているのだけど
サティシュの生き方はまさにSmall is Beautifulを体現していると思った

長男ムクティが中学校に進学しようとしていた今から25年前
地元に行かせたい学校がなかった

サティシュの考える教育は、3H(Heads, Heart, Hands)
つまり知識、こころ、手作りを大切にした教育
ちなみに教育 education とはラテン語のeducareから来ていて
「引き出す」という意味

サティシュは3Hを実践する中学校を始めようとまわりの親達に呼びかけ
生徒数9人の小さな学校が始まった

名前は THE SMALL SCHOOL 小さな学校

25年たった今、サティシュは世界的に有名な平和・環境活動家になった
でも今の生徒数は?と聞くと…..たった20名
大人のために平和・エコロジー学校であるシューマッハ・カレッジも
40人限定だそうだ
みんなでご飯を作ったり、掃除をしたり、瞑想をしたりして過ごす

それって全然発展してないんじゃない?
というのが、今の常識的な考え方に違いない
数も増えてないし、お金も儲かってないし、合理的でもないし、効率が悪い
成長していないし、発展していないし、成功していない

でも果たしてそれは正しい評価だろうか?
発展って何だろう、成功って何だろう
いわゆる経済理論からしたら、失敗かもしれないけど
生徒の数や先生の数や学費の額が増えればそれで良いはずがない
数字という無機質な評価軸のみにとらわれていると
何が目的だったのか、往々にして忘れてしまいがちだ

xChangeの活動をしていて、今、全国各地で芽が出始めていて
どうやって大きくしていこうかと考えていた私にとって
これは本当に大きな気づきになった

メッセージを伝えたいあまり、多くのイベントを行なって
たくさんの参加者に来て欲しいという考え方に走っていたけれど
サティシュに相談すると ”grow slowly, grow organically”
ゆっくり大きくなり、つながりを作りながら育ちなさいと
管理するのではなく、それぞれの自主性に任せなさいと言われた

小さい規模でやるからこそ伝わるものがある、教えられることがある
規模が大きくなるからこそ失われてしまうつながりやあたたかな温度がある
だから小さいことが美しい
たとえ大きくなれたとしても、小さくとどめておく事が美しい

今回、サティシュの葉山のイベントは100人以上の大きなイベントだった
多くの人に聞いて欲しいという純粋な気持ちで出来る限り大きな会場を手配した
たくさんの人にサティシュのメッセージが届いた
その一方で誤解を恐れずに言えば
大きくしたことってどうだったんだろう?と思ったのも事実
規模の問題だけが要因ではないのだろうけれど
つながりがあまり感じられなかったという意見も聞こえてくる

シューマッハは”Small is Beautiful”(邦題:人間中心の経済学)の中で
こんな風に書いている

われわれは「大きければ大きいほどよい」という考えを意図して捨て去り、物事には適正な限度というものがあり、それを上下に越えると誤りに陥ることを理解しなくてはならない。正しいスケールであれば、Tender Loving Care(TLC)の要素を導入できるということにある。さてTLCは、最上の肥料であり、カネでは買えない。その意味は「優しく愛情のこもったいたわり」である。その威力には驚くべきものがあり、またそれがシステムから排除されるとどんな混乱に陥るかも同様に驚くべきである。

スモールイズビューティフルは
新しい人間社会を創造していく人たちの合い言葉になりつつある
特にグローバル経済がローカライズされる必要があることは明らかで
そのことは良くサティシュとも話した
もっと根本的な意識のチェンジが必要だと

でもサティシュは
社会変革を目指す活動もただ単に大きなものを目指すべきでない
ということも教えてくれた
地球環境は悪化しているが、私たちは忍耐づよくなければならない
行動すること、それ自体が本質的に美しいことだから
それ以上頑張ることはない
虚栄やアイデンテティーを捨て去り
関係性という唯一大切なものを育てなければならない

ONLY CONNECT

小さいからと言って、影響力がないわけじゃないんだ
サティシュは日本滞在の後、インドでヴァンダナ・シヴァの学校で教えた後
始めてブータンに行くんだ、と興奮していた
ブータン政府が”education of happiness”(幸福の教育論)について
サティシュの考えを聞きたいのだそうだ

小さくても確実に広がっている
小さいから確実に広がっている

どこまでも謙虚に
全てのことに慈悲のこころを持ちながら

…とこんなことを考えながら、今日は鎌倉の仲間、かまわのメンバーで打ち上げというか集いをしたのだけど、xChangeのことにもとても大きな示唆をもらって、かけがえのない仲間に心から感謝した。生活の全ての場面で、サティシュの、ガンジーの、シューマッハの教えを実践していくこと。出来ているようで、これがなかなか難しいんだ。だからこそサティシュの生き様である「小さいことは美しい」という哲学。心にしっかりと秘めて歩んでいきたいと思います。