セックスレス・カップルに告ぐ!「エロティック・セルフケア」のすすめ

「日本はセックスレス大国だ」と言うことは、誰が聴いても、もはや驚かない、周知の事実でしょう。セックスの回数、セックスにかける時間、セックスの満足度とも、調査国41カ国のうち、ダントツ最下位、、、と言う悲しい結果。日本家族計画協会の調査では、日本人16歳~24歳のうち、45%の女性と、25%の男性が、「セックスには興味がない」と答え、NHKがセックスレスの男女へ行なったアンケートでは、半数以上の人が、「それで構わない」と言う回答結果だったんだそう。さらに2005年、1834歳の独身者のうち、3分の1が童貞や処女だったのが、10年後に、その割合は43%にもなったと、、、。

なぜここまでセックスが遠い存在になってしまったのでしょう。これにはどんな意味があるのでしょう。そして一番注目したいのは、セックスレスを解消するには、どうしたらいいのか、と言うこと。ググっても、本質をついたものは(少なくとも日本語では、皆無!と言うことで)imakokoなりに、考えてみたいと思います。

 日本だけでなく、世界でも進む「セックス枯渇」の現状と原因

「セックス枯渇」と言われる現象は、日本に限ったことではないようです。アメリカでもセックスの回数は減少しているし、イギリス、オーストラリア、フィンランドでも、セックスの回数は、年々減少傾向にあると言う結果があります。

原因は様々だろうし、ここでその分析を深める意図はないのだけれど、ざっと考えてみると、セックスから遠ざかってしまう理由としては、不安やうつ病から来る自己肯定感の低さ、スマホ中毒(時間をやり過ごすエンターティメントがすぐ手に入る)など、まさに「現代病」と切っても切り離せない理由がありそうです。さらに夫婦の場合は、「大切に思ってはいるけれど、お互いに家族になってしまって、そんな気になれない」と言う人たちは、とても多いですよね。

それ以外に、特に夫婦の場合において、日本独自の理由としては、こんな理由も考えられるでしょう。

  • 経済的な問題、育児と家事の両立が難しい、待機児童問題など
  • 性産業が発達していて、性欲を満たすものが他にもいくらでもある
  • 家の面積が狭いので、特に子どもができるとスペースの確保が困難
  • 「子どもは親が面倒を見るべきだ」と言う価値観が浸透しているので、子供をベビーシッターに預けて夫婦でデートをする、といった習慣がない
  • 全体的に性をタブー視する傾向があり、性教育もままならないので、全体的な性リテラシーが低い

セックスレスの一番の原因とは?

 でもセックスレスにつながる一番大きいな原因は、何かと言うと、、そう、ストレスと言われています。「帰宅時間が遅くて、セックスをする時間がない」「仕事のことで悩みごとが多い」「子育てや家事などやることがいっぱいで、疲れているし、それどころじゃない」「自分のことが好きじゃない」などなど、ストレスにも色々な種類のものがあるけれど、結局は「頭がパンパンで、心と体の意識が開かない」と言うこと。「面倒くさい」「時間がない」「方法がわからない」そんな声も聴こえてきそうです。

自分がいっぱいいっぱいなのに、人のことなんて受け入れることは難しいし、ましてや(まさに)身も心も裸になれるくらい心底ゆだねられるくらい、その場にくつろぐ、、、なんて夢のまた夢、と言うことになってしまいますよね。

さらにセックスという行為を、ただ「する、こなす」ことだけに集中してしまい、それをまるで「やるべき義務や仕事」として捉えてしまう傾向があるのも、セックスレスの原因でしょう。まるで「決定版!セックス・マニュアル」があって、それに従い、頑張って効率的にゴールに到達して、きれいにフィニッシュで終了!と言うシナリオがあるように。それじゃぁ「またやることリスト」の項目が増えるだけだし、「どうせ上手にできないから」と、気も乗らないし諦めてしまいがちですよね。男性には、妙なプレッシャーもあるかもしれないし、女性も演技をするだけで、つまらない。みなさん、アダルトビデオの見過ぎです(笑)。

「もう年も年だし、それでいいや」と言う声もよく聴きます。「性欲なんてなくたって、人と交わらなくたって、別にいいでしょ」と開き直っている人にもよく出会います。でも、ちょっと待って。そう言う方には、「セクシャル・ウェルビーイング」と言う概念を知って欲しいのです。

 

 「セクシャル・ウェルビーイング」とは

「ウェルビーイング」と言う言葉や概念は、何となく把握している人も多いのではないでしょうか。身体だけでなく、心も思考も社会的にも健全な状態、全ての面で人が生き生きと生きている状態を指します。何となく、わかりますよね。

 それが、セクシャル・ウェルビーイング。セクシャリティーと言う(これまた捉えにくい)概念を取り上げ、様々な方向性からセックスに関するあらゆる要素が健全である生き方を目指す、と言ったら分かるでしょうか。

 WHO(世界保険機構)によれば、セクシャル・ウェルビーイングとは、セクシャリティーに関する精神的、身体的、社会的なバランスが保たれている状態。さらにアメリカで有名な社会学者、エドワード・ラウマン (Edward Laumann) 氏によれば、セクシャル・ウェルビーイングとは、「それぞれの人が、どんな風に自分のセクシャリティーを捉えているか」であり、それには、幸福感、達成感、平和感、そして人生に対する満足感が深く関わっている、としています。

 そう考えると、どうでしょう。セックスってただ単に「若い時や出会った時や好きになった人が出来た時は楽しむ行為かもしれないけれど、そんなお見合いフェーズが終わったり子供ができたりしたら、はい!おしまいで、オッケー」と簡単に切り捨てていいようなものでは、ない気がしませんか。

 「セックス が整うと、人生が整う」と言うのが自論ですが、ラウマン氏が言うように、セックスって自分の幸福感や精神性、社会的な意義とも深く結びついた、もっと大切にすべき行為である、と思うのです。セックスは、究極のつながり装置。だから「セックスレス大国、日本」の現状は、とても深刻!このまま放っておいていいものではない、と個人的には声を大にして言いたい。

と言うわけで!前向きがかなり長くなってしまったけれど、ここからは特にパートナーシップを結んでいるカップルがセックスレスにおちいった場合にどうしたらいいか、と言うことを考えてみましょう。

レスのカップルに告ぐ!

 「性欲を活性化させる(常に性欲を高く、生き生きとしたものに保っておく)ことは、一人一人の大切な責任」と言い放つのは、世界で最も辛口の鋭いカップル&セックス批評やセラピーで有名な、エステル・ペレル女史。日本では知名度が高くはないですが、この手の話題に、エステルは欠かせない存在なので、思いっきり登場してもらいましょう。

 エステルは、セックスレスに陥ったり、エロチシズムが欠乏したりする大きな原因として、「お互いにさらけ出したり、弱みを見せたり、正直に露呈したりすることをしなくなる」と指摘します。これは体だけのことではなく、心で感じていることや、頭で考えていること全てです。そりゃそうですよね、隠し事があったり、身も心も閉じていたり、弱音を吐けたり飾らないそのままの自分でいられる安心感がなかったりしたら、セックスはしたくないし、したとしても高まらないですよね。

 でも、ちょっと待って。誰かと関係性を構築する前に、まず自分に正直ですか?自分の弱みや強みを知っていますか?自分をとことん受け入れて、愛していますか?セックスレスのカップルは、一人一人が別々に、そんな点検作業から、まずはスタートしてみましょう。

 

一番の恋人は、ほかならぬ自分

 自分のことが、自分の体が好きじゃない、受け入れられないと言う人がたくさんいます。外側の情報に翻弄されて、「あの人に比べて、私は太っている」「足が曲がっている」「(男性の場合は)ペニスが小さい、勃たない」「髪が薄い」などなど。そうやって自分の身体=容器(または神殿とも言える身体)を非難・評価するばかりで、自分にくつろぐ時間や習慣を持たずに、どうやって他の人を招き入れてくつろげると言えるでしょう

私たちは、ついつい頭でっかちで、心や体に意識が行かない生活を送っています。それを少しでも改め、意識的に体に降りていく癖をつけて、内側の景色をただ感じてあげる時間と空間を確保する。忙しい生活をしている多くの人にとってはハードルが高いことかもしれないけれど、それをしなければ、いいセックスライフは続かない、とも断言できると思います。

 ジョギングでも、ヨガでも、ジムでの運動でも、ダンスでも何でも良いから、まずは命の資本である体を整えることは、とても大切なこと。もちろんセックスの準備に限ったことではなく、生き生きとした自分を生きていくための基本としても。

 もちろん体だけでは、ないですね。ちなみに私は以前から、半分冗談、半分本気で、「瞑想する人とじゃないと、セックスしない!」と決めています。心の洗濯、頭のお掃除、時間の管理。一夜にしてならず、相当のプラクティスが必要ですが、そんな風にして、ハウスキーピングを怠らず、仕事や家事でどんなに忙しくても自分の栄養になることを見つけて、実践して、自分を常にいい状態に保っておくこと。とても基本的なことばかりかもしれないけれど、セックレスの議論って、ここの部分が当然すぎるからか、ごそっと抜けている気がします。

 エステルは言います。「性欲は誰から押し付けられるものでなく、自分だけのもの。そしてそれは生命エネルギーがあれば、当然湧き上がってくる基本中のエネルギー。それを耕し、元気にしておくことは、各自の責任だし、生きていく上での基本です」と。

 

スローダウンして、五感を呼び覚ます

 「まずは、自分が自分の恋人になる」ことを、もう少し具体的に見てみましょう。例えば、お風呂やシャワーに入る時に、水が体に触れる感触を楽しむ、歯磨きをする時に、歯ブラシが口に触れる感覚にマインドフルになってみる。そんなことだって、いいんです。大切なことは、自己評価を抑えるようにして、ただただ自分の感覚を味わい楽しみ、自分自身と自分がともにいる時間を大切に、自分が一番の自分の恋人でいるような思いやりや優しい気持ちと興味と好奇心を自分に向けてみる。それが「エロティック・セルフケア」の始まりだ、とエステルは提案しています。

 だからエロティックと言っても、全くセックスと関係ないことでOK。セックスはベッドタイムのもっと前から始まっています。「何が自分に活力をもたらすか」(例えば運動、本を読む、瞑想、ご飯を手作りする、たまには花を摘む)を考えて、それを実践する。「何が自分に活力をもたらさないか」(人の悪口を言う、夜遅くまでスマホをいじる、ジャンクフードを食べる)を考えて、それを実践しない。「誰かに何かをして欲しい、して欲しくないか」を分析して人のせいにするのではなく、自分が自分を満たしていく生き方を選ぶ。これが生きる自信にもつながってきます。

そして「感じることを、自分に許してあげる」、これが大切です。 例えば、チョコレートを口に入れて溶けていく感覚を楽しむ、空を見上げてため息をついてみる、植木に水をやる、ゆっくりと好きなお茶を飲む。そんな些細な日常の瞬間を、どれだけ自分が五感を開いて、感じ味わえるか。

 今、この場で起きている現象に、ただただ感覚を、感情を開いていく、マインドフルに過ごしていく。そんな一人一人の時間を過ごす姿勢やマナーが、後々セックス でも役立ってくる。逆に言えば、その下地がないと、セックスは楽しめません。

 

性欲と自尊心の関係性

そうやって自分にくつろげるようになってくると、「私は、愛されるのに値する人間だ」「私は、今ゆっくりしていいんだ」「私は、マッサージをされていいんだ」「私は、今、必要な時間をたっぷりかけていいんだ」と自分に感じる許可を出してあげられるようになってきます。だって信頼してなかったり、心配だったり、不安だったりしたら、 そんな許可出してあげられないですよね。

許可が出せると、自ずと積極性も湧いてきます。誰だって「こうして欲しい」「こんな風に愛して欲しい」とか、あるじゃないですか。自分を好きになってくると、ただ受け身ではなくて、もっとデザイヤー(欲望)が生まれてきます。

そう言う積極的なデザイヤーがあって、初めてセックスは盛り上がってきます。(それがなくなって鬼ババ・ジジ化していく中年女性や男性も多いけれど、、、そういう人はセクシャル・ウェルビーイングが相当低く、人生の幸福感や平和感も低いので、とてももったいない)

つまり大事なのは、自分のことが自分で好きで(好きじゃない部分も含めて容認していて)、心と体にゆとりがあること、喜んで受け入れる準備があること、好奇心があること、感度が高く反応が速いこと。セックスをするしないに関係なく、そう言う自分でありたいと思いませんか?セックスと言っても、まずは自分を整え、開ける自分、堂々と愛される自分でいられるようにすることから、始めましょう。そうすると「相手との相性」とか「旦那とはその気になれない」みたいな、相手本意のことも少なくなってくるはずです。何事も自分のワークからですね。

 

二つのニーズを大切にするには

特に長年連れ添ったカップルは、「二つのニーズ(大切にしたいこと、欲しいもの)のセット」を的確に捉えておくことが大切です。一つのセットは「信頼、安心、予定調和性、所属、くつろぎ」、もう一つのセットは「冒険、驚き、刺激、予定不調和性、発見、探求」。例えば、「定住」と「旅」みたいなもんです。人間には、程度こそ違えど、全く違うクオリティーのものを求めるのが常と言うこと。

この両極端のニーズのセットを、一人の人に求めるわけだから、そりゃぁ大変ですよね。一人の人に全部叶えてもらおう、って言ったって!だからこそ、いくつかのニーズは自分で満たしたり、他の人にお願いしてみたり、時には一夫一妻制のパートナーシップを考え直しても良いかもしれない。さらに想像力を持ち込んだり、今日はどんなニーズを叶えるか、と意識的になってセックスに臨んでも良いかもしれません。

sex is where you go, not what you do「セックスはすることではなく、いく場所」

どんな自分を演じ、どんな感覚になり、どんな感情を味わうか。精神的につながり一体感を感じる時もあるかもしれないし、プレイに没頭する時もあるかもしれないし、完全に解放されて身を委ねる時もあるかもしれない。そうするためにも、自分が誰で、何が好きで、どんなことに興奮するかを、日常生活から理解し、実践している必要があるわけです。

エステルのTEDトークも、最高です!

 

 

「セルフケア」とか「セルフメンテナンス」と言う言葉やプラクティスが聴かれて久しいですが、セックスレスのカップルには、断然「エロティック・セルフケア」もお勧めします。セックスと言えども、まずは自分から。セックス・キラー No.1のストレスを上手に処理して、自分を高めることを丁寧に時間をかけて習慣化して実践し、愛されるに値する人間であると自覚すること、そして自分が何を求めているかをはっきりさせることが、セックスレス打開につながると信じています。セックスをする人が増えていくことで、セックスレス大国日本の汚名を返上し、もっと活力ある個人と人間関係と社会が花開きますように!

セックスレスのカップルにお伝えしたいTIPSは、まだまだたくさんあるけれど、、、今日はこの辺で!(第二部に続く、、、)

この続きは、毎週水曜日午後9時からオンラインで開催しているセックス・サロン LOVE LIFE SALONでも!このサロンは、もっぱら私のティーチングではなく、みなさんのシェアの場ですが。でも話を聴き合う中で、大きな学びや変容が毎回起こっています。

そして女性のみなさんは、自分の女性器から知ることをお勧めします。Yoniverse講座、どうぞご参加を!受講されて、長年のセックスレスを解消されたと言う女性もいらっしゃって、こんなに嬉しいことはありません。

<すぐ簡単にできるエクササイズ>

ひじから手首まで、もう一方の指で、できるだけゆーーっくりと自分の体を触っていきます。強いタッチ、柔らかいタッチ、、、どんなタッチが好きですか?その感覚に意識をはわせ、思考がどこかに行ってしまわないように。マインドフルなエロティック・セルフケアを楽しみましょう!

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