新しいパートナーシップのあり方 & やり方

 

今のパートナーとつき合い始めて、3年ほど。最初はオープンなスタイルで始まった関係も、コロナ渦中で安定基盤を求めるようになり、モノガミー(一対一)の、いわゆる一般的なスタイルへ。

でも自由さや、ほかの人との友情レベルを超えた関係性も味わいたくなってきた。これは、ただ単に欲深いだけだし、誰かと付き合っている以上、私が改めなくてはいけないことなのか?ただ単に「浮気性」と言うことで批判され、我慢しなくてはならないことなのかな?

でも一人の人と安定したパートナーシップを築きながら、ほかの人を魅力的に感じたり、触れたり、性行為にも発展させたりしたい、という衝動や欲望は、ごく自然なことじゃないのかな?その自然な気持ちを抑圧してしまってはもったいないし、自分を丸ごと生きていない感じもする。

近代の婚姻関係は、大概の国で一夫一妻制だけれど、その枠組みの中に押し込めておくこと自体に無理がある気もするし、その果てにセックスレスや家庭内離婚、熟年離婚があったりもするんじゃないか。飽きているのに我慢して一緒に居続けたり、取っ替え引っ替えパートナーを変えて、誰とも関係性が深まらないよりも、パートナーシップを正直に上手に構築していくスキルを身につけた方が、健全な気がしませんか。

例えば、私の周りではポリアモリーなどの新しいパートナーシップを実践している海外の友人たちがたくさんいて、それぞれが失敗も繰り返しながら、汎用性の高いスキルセットや哲学をシェアしてくれている。彼らの relating( 関係性のアート)の経験やスキルは半端ない!日本だと浮気や不倫やドラマチックでドロドロした離婚みたいな選択肢しかないところ、彼らは悠々とそれを超えていく。本当に目を見張るばかりで、学ぶことがたくさん!いろんな局面で惜しげもなく経験をシェアしてくれたり、相談に乗ってくれたり。ありがたや。

パートナーシップって、ただの恋愛の延長の関係性の持ち方でしょ、と言ってしまえば、それまでなんだけど、でも私たちの生き方の土台を形成するとても大事な要素でもあることは、確か。それなのに、課題が発生した時の対処の仕方って、マニュアル的なものがほぼない気がするし、たくさんのカップルが八方塞がりで、右往左往している感じもする。

と言うわけで、最近、私自身にとって、とてもホットなトピックスなこともあり、学びや実践を綴っていきます。

まず、ポリアモリーについての所見

ポリアモリーは、特定の複数人と性愛関係を結ぶ関係性の構築の仕方。関わる全ての人の合意があり、オープンなコミュニケーションがあると言うのが、大前提です。ここが浮気や不倫と、大きく異なるところ。

ポリアモリーはオープン・リレーションシップの形態の一つで、一人のパートナーと最も親密な関係を保つ「プライマリー・パートナーシップ」を保持する場合もあれば、複数の人が同等の位置にある場合もある。そしてポリアモリーの中でも、poly sensual (ポリセンシュアル:官能的な行為のみをOKとする)や、poly sexual (ポリセクシャル:性行為をOKとする)、挿入と体液の交換はしないなど、色々にレイヤーがあるのが、面白い。経験すればするほど、どんどんスキルフルになっていくと言う感じ。そしてスキルフルになればなるほど、安全安心の中で、いろんな関係性を縦横無尽に楽しめる。

十人いれば、十通り。だからこそ、関わる全ての人が、どんな合意(アグリーメント)をするかの話し合いが、不可欠になってきます。この「プロセス」は非常に難しくて複雑で、時間もかかることもあり、それが面倒くさかったり、不可能に近かったりして、諦める人も多いほど。

そしてもちろん関係性において、「ポリアモリーが進化している」と言うつもりは毛頭なく、色々試した結果、やっぱり「モノガミーがいいよね」(あるいは、今はモノガミーでいようね)と言うことも大いにある訳で、大事なのは選択肢があっていいんだよ、と言うこと。いろんな人と交わるのが良いからしましょう!と言うことではなくて、「その時々、目の前の人とどんな関係性を築き、どんな経験や魂を重ね合わせたいですか?」と言うこと。 

だからこそ、「一般的でなく、自分たちらしい関係性をデザインしていく」と言う作業は、まずは「自分自身がどうしたいのか」を究極に問う必要がある訳で、これが人生と一緒で、本当に面白く自分の内側に入って聴いてみる必要があるわけです!

 

いくつかのルールや考え方

ここからは、新しいパートナーシップを実践していく上で、私(たち)が現時点で大切にしていることを、メモ書きとして残しておきます。参考になれば!

一人一人が、自分の好きなように決められる


人生もそうであるように、まず自覚が必要なのは、「一人一人に、絶対的主導権(
sovereignty)がある」「一人一人が、自立した(autonomy)存在。だからこそ、自分で決められる」と言うこと。そう捉えるだけで、自分の中にエネルギーがわくのを感じるし、エンパワーされませんか?

自分がしたいことをする。それは相手の許可を得て、実践したりしなかったりするものではないと言うことです。もちろん取り決めや、合意や、ルールはともに作っていく必要がある。誰かに迷惑をかけたり、信用を失うようなことをしたり、嘘をついたりしてはいけない。だけれど、誰かとつきあっているからと言って、ほかの誰かを好きになったり恋心をいだいたりしてはいけないと言うことはなく、私たちは究極、自由な存在であることを覚えておきたい。

長年つきあっていることで得られる安心感、信頼、平穏、予定調和性。そう言うものも大切だし、一方では、冒険、刺激、ミステリアスなことも大事。自分の人生のフェーズにおいて、どちらをどれくらいのバランスで大切にしていくのかは、自分で決められると言うことです。


全てのパートナーシップは、愛の表現であり、自己成長の機会

これはすごくすごく大切な考え方だと、捉えています。どうしても嫉妬や所有や、私のものなのに!と言う怒り、不安、心配、罪悪感、、、色々な感情がつきまとう。ただ全ての関係性が、ただ「その時々で、目の前の人とどんな風に魂(や体)を重ね合わせたいのか」と言うことで考えると、全てが愛の表現であり、自己成長の機会と捉えられると思うのです。 

その時、誰が誰の何を許すか、というよりも、自然のエネルギーをお互いが認め合う、祝福する方向性で考えたい。お互いの不安や嫉妬心をかばうために行動してしまうと、お互いにとってそれはよくない結果となってしまう。自由じゃないし、抑圧されたエネルギーは必ずいい結果を邪魔してしまう。

だから「相手に悪いから」という理由で、諦めたりするのは違う。自分のスタンスははっきりさせて、「愛」から動くこと!これがとても大事。Move from love, not from fear. 家庭外で愛のアクトをしたことで、家族や関係性の内側にもっと良いエネルギーが流れることだって、大いにある。二人の人同士で、エネルギーが流れたら、それを押さえ込むことは誰にもできない。もちろんそこに理性が働いて、行動に移さない場合もたくさんあるけれど。でも往々にして、行為に移した方が、健全な気もする。それをどうパートナーシップ上、捉えるかを事前に話しておいたほうがいい。(私たちも今それをやっている最中)。 

情報開示のスキルもマスターしよう

正直さや透明性が大事と言う話になりがちだけど、ちょっとした工夫も身につけよう。例えば、タイミングや量の加減を知ることも、大事。「何かあったら、正直に全部、すぐ話してよ!」と相手が望んでいたとしても、どれくらいのディテールを受け取れるかを考慮する必要もある。(やんわりと話して、詳細は1週間後とか)

関係性や考え方は、固定されたものでは、ない

モノガミーがいいのか、ポリアモリーがいいのか、正解はない。そして同じ人でも、考え方は変わっても当然、良い。今は一人の人と付き合いたいけど、今は色々な人と交わりたいよね、と言う風に自由さを楽しめば良い。

決して、どっちが正しい、間違っていると言う議論に陥らないように。二元論になってしまうと、お互いが苦しむことになってしまう。(自由が欲しい人は、安定の感情を呼び覚まし、安定の感情が欲しい人は、自由の感情を呼び覚ますなどのワークもある)

リソースを持とう

嫉妬や怒りは、つきもの!どんなに熟練したカップルでも、それはやってくる。大事なのは、それをどう捉えて、対応するか。その感情の波にどう乗るか。その時に持っている必要があるのが、「リソース」。リソースとは、何かがあった時に頼れるもののこと。例えば、呼吸。例えば、感情リリースのツール。例えば、自己共感日記などの、日々の習慣。例えば、なんでも話せる友達やカウンセラーなども大切。

特に男性の場合は、自分の弱みを見せる友達が少ない人が多い。そうすると、一人で抱えきれなくて破綻してしまうこともある。常日頃から、深いつながりを持っている友達の存在は不可欠。海外には、メンズサークルのようなものもたくさん出てきている。

トリガーとともにいてあげる

お互いのトリガーが生まれた時:そのトリガーとともにいてあげることが、とても大事。「辛いよね」「許せないよね」というように共感してあげよう。トリガーを受けた方は、いろんなリソースを持っているように。(男友達、女友達、感情リリースのツール、忍耐力、自然の中で呼吸、、、などなど) 

失敗を恐れない!

パートナーシップのプラクティスは、自転車に乗るのと同じこと。最初は、すぐ倒れたり、ルールを破ってしまったりするもの。それを大きなことと捉えないように。

だって、頭でNO!と分かっていることでも、体、心、魂がYES!と言う時だってある訳です。その時に三つのセンターの方が、頭に勝ってしまうこともある。それが人間。それを認めてあげよう。

そして最初は、「パートナーがキスして帰ってきただけで、この世の終わりのような気がした」と言う人も、必ず慣れてきて、しまいには「あぁ、愛人と良い時を過ごせてよかったね」と笑顔で迎えてあげられるようになる。それぐらい大きな俯瞰した目で考えてあげられるようになる。とにかく実践し続けることが大事!

性欲を追い求めない

いつ何時も、大事なのは、プレゼンス。だからセクシャルエネルギーを追い求めず、ただ味わうこと。その場で味わうことは、素晴らしいこと。ただ先走って、それを追いかけることは、違う。

とまぁ、まだ私も進化途中で、パートナーとの深い関係性を築きながらも、自分たちらしい関係性を深めたり、でももっと自由になってお互い別々の道を行こうかと話したり、、、そんな繰り返しをしながら、それぞれが望む生き方をお互いがサポートする旅路にある、と言う感じ。

まぁ私の場合、なんでもそうだけれど、こう言うことをすることによって、自分が深まる、自分が整う、自分が進化する、自分が愛情深い人間になるからこそやっているし、それが探求しがいのあるところだなぁーと思う訳です。そしてパートナーシップを私らしくデザインしていくことが、願わくば、関わる全ての人が愛の存在として生きていく練習場につながれば、こんなに嬉しいことはありません。

続きは、LOVE LIFE SALONにて!3月17日水曜日は、新しいパートナーシップについて、みなさんと議論していきます。 

参考資料など

色々、影響を受けている資料をリストしておきます。

▶︎この
podcast、実践者が語るopen-relatingについて、ものすごく勉強になる!英語ができる方は、ぜひ。

 

▶︎このYoutubeビデオも、素晴らしかった。「ポリアモリー」と言いながら、「ポリファックリー」にならないように。何があっても関係性が深まっていくのが、真のポリアモリーだ、と!


 
▶︎私が海外で学んできた先生は、Sacred Relatingと言って、オープンであろうと、そうでなかろうと、関係性は全て神聖であることを実践するオンライン講座もやっている。ちなみに彼らは20年来のポリアモリー。

▶︎ これは古典的名著!Esther Perel の Mating in Captivity。TED TALKも

 ▶︎ポリアモリーのリソースは全てこちらの本とウェブサイト。MORE THAN TWO

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