「月経ー血のサイクル」と新たな関係性を持とう

月経(生理)について、私は深く考えないまま、今、閉経を迎えようとしています(現在46歳で、生理は数年前から不順。すっかり終わったわけではない)。女性の年齢から言ったら、おばぁちゃんの域に突入していきます。あれまぁ、なんと駆け足であっという間にここまで来てしまったんだろう!命を宿し、産み育てることの神聖さや感動を感じた私(子どもは13歳の娘が一人います)としては、あともう一人でも二人でも!と思っていたので、残念な気持ちもあります。

閉経、そして更年期には、生殖機能はもうなくなり、「女は終わったわ」と嘆く女性も、中にはいるかもしれない。それか「毎月、面倒なこともなくなり、やれやれ!」と思う女性もいるかもしれない。

私はどちらでもなく、というか、今、全く別の道を歩み始めようとしています。それは、ここに来て、「今まで知らなかった重大なことに気づいてしまった!」とも言うべき感動で、月経と言う女性のサイクルとつながり直そうとしているということ。閉経を迎えるこのタイミングで、今一度、女性の私と、地球と、命とつながり直そうと決意し(今からでも遅くない!と言う励ましの意も込めて)、これを書いています。

こんな風に思うようになったきっかけは、いくつかあるんだけれど、一つ大きいのは、Therese Jornlinという女性と3年前に会ったことが大きいです。彼女も35歳の時に、人生の大転回をもたらす「月経を取り戻そう」という趣旨のトークを聴き、そこから、月経とつながりなおす旅が始まったとか。テリースは気功、女性性、呼吸の先生でもあります。

テリースは、このインタビューでこんなことを伝えてくれています。

月経が世界に平和をもたらす!?

「女性が月経のサイクルを軽視するということは、自分の身体、地球の身体を軽視していることと同じ」生理と切り離された女性は、地球とも切り離されている、分断されている」と、テリースは言います。はじめこれを聴いた時、あまりピンとこなかったんです。テリースは「今は、暴力の血ばかりが流されているから、もっと平和の血とつながらないと!」「月経が、世界を平和にする!」とまで言うんです。でもよく考えてみると、感覚的にでも分かりませんか?つまりね、私たち女性が身体、地球の身体(自然環境)を忘れ去ってしまっている、世話をせず、置き去りにし、適当に扱ってしまっていると言うこと。ゴミなんて一つもないのに、排泄されたものは汚いものとして扱って、葬り去られるだけ。男性も女性のサイクルを尊重するばかりか、意味が分からない人も多い。その典型的な結果として、戦争があり、自然破壊があり、みんなが暴力の血を流すことになってしまっている。男性も女性もがそうではなくて、もっと平和な血、命の血を尊重することで、女性の力や役割も全然変わってきて、社会や国や世界のあり方も劇的に変わる、真理に目覚めると言うのはうなづけます。

月経は、自然のサイクルを思い出させてくれる

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月経とつながることは、女性たちが自分たちの身体が保持する高度なインテリジェンスを尊重する最適な方法でもある」と、テリースは言います。女性はリニア(直線状)ではなく、サイクル(循環)している生き物。それはまるで、春夏秋冬のよう。そう言われてみれば、自然のサイクルと女性のサイクルって全く同じなんですね(ブログ記事:「私の中にいる4人の女性」も参考に)!これは ヨニバース講座でも伝えていることです。

でもほとんどの女性は、「厄介なもの」「気持ち悪いもの」「恥ずかしいもの」として月経サイクルを扱っています。私もご多分に漏れず、そうだったなぁー。11歳ぐらいかな(覚えてもいない)で、最初の生理があり、その後、46歳になるまで、だから35年間!かなり無自覚でした、、、なんか残念(あぁーこんなことを思春期に知りたかったなぁー!)だし、反省です。

 

月経とつながり直すために、できること

では、そういう人はどうしたらいいか。テリースは彼女の先生に「date, time, place!」と何度も言われたそうです。つまり、「場所と時間を設定して、女性たちを集め、月経の話をしなさい!」というお達しを受けたんだとか。みんながみんな、何か異様なものを抱えている。だから女性たちが集い、それぞれの物語をタブーなく明るみに出して話すことで、あぁーみんなそうなんだという安心や癒し、学びや勇気がみなぎるというわけです。まさしく!やろう!

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その上で、こんなプロセスもシャアしてくれました。

  1. まずどんな感情も感じて、受け止めてあげること。残念だ、気持ち悪い、汚い、臭い、恥ずかし、怖い、恐れ多い、美しい、荘厳な、神秘的などなど。どんな気持ちもまずは感じてあげること。

     

  2. その次に、他の一切のことを捨て去ること。つまり、文化、教育、宗教、恨みなど。それは与えられたものであって、真実とは限らない、背負わなくてはならないものでもない。そういう外側のことから無縁となる。断ち切る。そうすると初めて、自分とは誰か?毎月、流れる血とは何か?との関係性がよみがえる。血は命なんですよ!それが身体感覚として分かります。これを Midnful Menstruation (マインドフルな月経)と呼びます

     

  3. それから、月経周期のマッピングをすること。見る夢、食べたいもの、感情なども書き留める、月経ジャーナル。リニアなプロセスではなく、サイクルだから、普通のカレンダーに記録するのではなく、独自のカレンダーを作ってもいいですね。こうすることで、真の命のバイオリズム、母なる大地のバイオリズム、宇宙のバイオリズムを大切にして暮らせるようになる

     

  4. 特に大事なのは、「休息」と「居心地の悪さ」に注意し、大切なものとして受け入れること。休息というのは、実はアクティブな活動。積極的に、アクティブに、がんばって休むことをするんです。社会にはそんな風に機能しないから、なかなか難しいけれどね。でも動物だって、冬眠して休んで、だからこそ次の春がやってくると、生き生きとまた活動できる。だから一度、休息することが全体的なプロセスには欠かせない大切なフェーズ。堂々と休もう!休むことを敬おう!

     

  5. もっと言えば、一度死ぬ、命を流すということを受け止める、感じること。だって草花だって、一度死んで、また生まれ変わりますよね。自然界では、そこに生死のサイクルがあって、それが一目瞭然です。それが実は、女性の体の中では毎月行われている。まさに春夏秋冬。その季節を味わい切ります。

     

  6. またテリースは、「女性は、痛みにマインドフルネスを持ち込める」と教えてくれます。血が流れる時って、生理痛で苦しんだり、ホルモンバランスが崩れて感情的にもイライラしたりする方、いますよね。それを何とか避けたいし、厄介なものとして扱っている女性が多い。でもその痛みを感じることが大事。女性は痛みにマインドフルネスを持ち込めるんです!女性は、感情にコネクトできる、感情動物、それは男性よりずっと長けています。怖さにもつながれるし、そしてサイクルを知っているから、それが完全なる死や崩壊でないことも知っている。そこで逃げずに、じっと耐えらうるわけです。すごいスーパーパワー!

     

  7. 女性が流す血は、生命の誕生と死のサイクルの象徴。というわけで、その血を母なる大地に捧げる、血を外に持っていって流す、というプラクティスもありますね。女性の身体と地球の身体はつながっているということを示す、思い出す儀式でもあるわけです。

なんかそう考えると、休むことを敬う、痛みを敬う、死を敬うなんて、社会では全く奨励されいないことかも知れないけれど、生命の理解や人類の進化に欠かせない要素だし、ここをもっと怖がらずに見過ごさずに受け入れること、勇気を持って積極的に味わうことが、実はものすごく大事だよなぁーと思い起こさせてくれる。だから月経恐るべし!!と感動している私です。悲しいけど、今さらながらね。でもその悲しみも受け止めています。

 

娘たちへどう伝えるか?

私には13歳の娘がいて、月経サイクルも始まっています。でも私とは一言も話したがらず、こちらがオープンな姿勢を見せても、共感的な態度を示しても、閉ざすばかり。どうしたものか、、、と悩んでいたので、テリースに聴いてみると:一番健康な方法は、「自分のプロセスを見せる」ということ、と言われました。何かを教え込むとか、あなたはどうなの?、これは大切なことよ!と説教するのではなくてね。彼女たちにとっては、お母さんが、自分を癒しているプロセスを目撃するのが一番の学びとなるからだとか。なるほど。

「ママは、自分の生理が始まった時のこと、ほとんど覚えていないし、今となって関係性を持たずに30年以上生きてきてしまって、悲しい。だからその気持ちを感じ切り、嘆き、そして新たな関係性を築こう、本来持っていたはずの感覚を呼び覚まそうとしているのよ」と言うことを、言葉ではなく態度で伝えていきたいと思っています。

更年期の女性たちの役割

TRIPLE MOON - 「乙女、母、老婆」と三つの女性、月を表す古代からのシンボル

TRIPLE MOON - 「乙女、母、老婆」と三つの女性、月を表す古代からのシンボル

じゃぁ、月経サイクルが終わった女性は、この話と無関係かと言うと、全くそうではなくて、とても重要な役割があるんですね。それはなぜかと言えば、「汚された血統は、生まれた命からおばぁちゃんまでつながり、またおばぁちゃんから生まれた命に帰っていく。だからそのサイクルのヒーリングにおいて、おばぁちゃんの深い叡智が不可欠」だから。更年期のことは、日本では「障害」とまで言われるけれど、女性が一番深い叡智とつながる時、自由になる時とも言われ、とても大切な女性のフェーズでもあるのです。

 

月経とセンシュアリティー 、セックス

これも深いトピックスなんですが、ビデオでテリースが言ってくれていたことは、こんなこと。「血を流すこと、そして一度命が死ぬことって、実はすごく官能的なことでしょ。官能的って言うと、どんな香水つけてどんな動きをするみたいな話だけになりがちだけど、もっと解釈を広げると、月経自体がとても官能的、センシュアルなのよ。そしてダーク。女性は暗いことも知っているからこそ、光の輝きも知る。まさに春夏秋冬を味わって生きている証よね。それを女性たちが知り、感じ、自分たちの力にすることが大事なんじゃないかしら。」

男性の役割について

じゃぁ、男性の役割って何でしょう?もちろん男性は月経サイクルがないので、女性は「良かったねぇ」と思うかもしれないし、ここまで読んだ方は逆に「羨ましいでしょ?」と思うかもしれません。テリースはこう言います。「意識の高い男性がこのプロセスのそばにいてくれる、目撃してくれることが、信じられないほどの癒しをもたらすのよ」。いやぁー そう言えば、ISTAのトレーニングで、女性サークルを実践してそれを男性が目撃していた時も(また逆に、男性サークルを実践して女性がそれを目撃した時も)、双方にすごく大きな癒しと許しと信頼が生まれたのを覚えています。

ヨニバース講座にしても、しかりですね。男性がいるからこそ、参加者の方々は、「男性へのネガティブなイメージを払拭してくれ、世界への安心感が増すのと同時に、男性がヨニを神聖なものとして扱ってくださることは、私たちの存在も素晴らしいものであることを教えてくれます」などと、お話しされます。本当にそれを感じる。これは女性だけでは完結できない癒しであり、自覚であり、新たな目覚めなんですね。だから男性の皆さんも、大きな大きな役割があるし、私たちはあなた方が必要なんです!

そうは言っても、男性だって女性と同じぐらい、それ以上に無知で無自覚。だからこそ、ずっと昔は、毎月の痛みを伴うことができない男性は、わざわざ外部的な痛みを伴う修行をしに、森の中に入ったり、それを地域社会が見守るような儀式も執り行っていた。そこで最終的にやっぱり戻ってくるのは、お母さんのところだったんですね。でもその時に、母というのは、荘厳な母なる存在という位置づけではなくて、面倒を見てくれる人止まりだったんではないでしょうか。

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だからこそ、現代では上記のような風習がないから、自分たちで作っていかなくてはならない訳だけれど、これを女性に頼らず、自身の力で成し遂げることが大切!とテリースは話していました。例えば、男性が男性同士で集い、悩みや脆さを打ち明け、大切なことを心を開いて話し合うような男性サークルを作るとか。(例えば、こんなのもあります。The Apollo ProjectRe/MEN/ber 最近、海外ではとても多い!つまり男性も、一方的な側面だけじゃなくて、自身の存在の全体性を受け止めてホリスティックに生きる必要があるということですね。

それから、男性は子宮がないけど、子宮を知っている。子宮の中で育ち、子宮から出てきたからね!一人残らず、みんな。だから自然の中でも、部屋の中でも、ベッドの上でも、静かな時間を持って、自分の体の中に入っていく。そしてその自分が体がお母さんのお腹の中にいた時の記憶にアクセスするようにチューニングしてみる。男性もそうやって自分の中の女性性とつながると同時に、Divine Feminine (神聖なる女性性)を心から敬うことができるのです。

そしてこの全てを司っているのが、子宮(ウーム)。子宮はオラクル(メッセンジャー)、子宮は生命を生み出す臓器。私はちょっと前に、人間ドックで子宮内膜増殖症の疑いがあると言われ、そんなに心配はしていないけれど、精密検査も必要みたい。とにかく自分の月経サイクルにもう一度つながり直すこと、そのために、嘆き、受け入れ、つながり直し、自覚的になることをしていきたい、そのプロセスとそこから生まれる意識を、自分の娘や他の女性たちと広く深くシェアしていきたい、と感じています。

とにかくテリースのビデオ、見てみて下さい!最後のメッセージもとてもパワフル。何も間違っていることはない、ちょっとみんな狂っちゃっているだけ。地球という母、子宮という母、呼吸という母に戻っていきましょう。そのために女性も、男性も集いましょう。

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